聖剣の目隠し乙女「良し！宝箱が開いたわ💖 中身は何かしら？ …こっこれは❕❕」
魔法のヘッドドレス❕❕❕
私のゴシックロリータ衣装と相性抜群のデザイン❕❕
しかも、刺繍も装飾も素晴らしく可愛くて最高だわ💖💖💖
それにひしひしと伝わってくる強い魔力
相当高度な防御魔法が付与されている事は間違いないわ💕💕💕
早速、装備しなくちゃ💕
不意に視界が暗くなった
ヘッドドレスがずり落ちて私の目に覆い被さったみたい
元の位置に着け直して……
？？？
何、これ どういう事⁉
ヘッドドレスが顔に密着した様に張り付いて動かない‼
それにヘッドドレスの絹の様に艶やかで滑らかな手触りが革の触感に変わり、形も額から頬にかけて緩やかな弧を描いたような形状に変化してアイマスクの様になっている
「どうして外れないの？…痛たっ⁉」
強引に顔から引き剥がそうとしたら、まるで顔を千切ろうとしたかの様に強い痛みが襲った
シュル シュルッ！ ガチャリ！
何か革のベルトの様な細い帯がアイマスクと頭の周りを巡り、鍵をかける様な嫌な音が響いた
アイマスクもベルトも体の一部の様に密着し、わずかにズレる事すらない
顔に密着したアイマスクには隙間が一切なく、足元はおろか、わずかな光さえも入ってこない
…まさか…呪い？
背筋を悪寒が走った
「嘘でしょ⁉ そんな！ 入り組んだ遺跡の中で目隠しされて、それが外れないなんて！！」
私は半狂乱になりながら、出口を求めて手探りで闇雲に歩き始めた
「痛ッ⁉ キャアッ!! 痛た…一体何？」
何かにぶつかってよろめいた拍子に、脚を取られて転んでしまった
床を手で探っていくと段差があり、腰の高さの台座？にぶつかってしまったみたい
道の途中にこんな構造物はあっただろうか？
壁に手をついてどうにか立ち上がり、触れる物が無いか手を伸ばす
道を探る手も、自分の姿すら見えない
魔物は…？ 近くに誰かいないの…？
そばだてた耳には忍ばせ切れない靴音が幾重にも重なって響き、それ以上に自分の心臓の音がドクンドクンと伝わってくる
今、襲われたら何が出来るだろう？
転んだ拍子にどこを向いていたかも分からなくなってしまった
暗闇の壁に押し潰されるような圧迫感に胸が苦しくなり、息が出来ない
心細さに涙が零れる
「出口は…？ ここは一体どこ…？」
2023-11-20 05:19:01 +0000