聖剣の目隠し乙女小説版
novel/20997031
ここは心美しい乙女が集う女学園
学園祭の出し物で他とは違う物をしたいと話が上がりました
視覚障碍者たちが運営するレストランがあるという話から、目隠しウェイトレスが真心を込めてサービスするカフェをしようと事に満場一致で決定です
問題は目隠し状態で失敗せず仕事が出来る様にする工夫です
客席の場所をを頭の中で描けるように、カウンターから向かって奥から横軸×縦軸の座標で位置を認識出来る様に配置
移動の基本となる作業同線と、客席周辺で感触が異なるマットを敷いてお客様のテーブルの前で止まれるように工夫
通路中央をポールとトレイル（索）で繋いで仕切り、左側通行の左回りで通ってウェイトレス同士が鉢合わせしない様にします
先ずは、お客様のお席まで迷わず辿り着けるようになるまでの練習です。
歩いた距離を把握できるように歩幅を正確に…
「キャアッ」 「大丈夫?」 「やん、つまずいちゃった」 「うぅ、また椅子にぶつかっちゃったよぉ～」
あちらこちらから悲鳴が聞こえてきます
ひたすら練習あるのみです
店内を自由に歩き回る事に慣れたら、次は飲み物が載ったトレイを持って零さず歩く練習です
カートにお出しする品々を乗せて運ぶ方がより安全で確実なのですが、トレイ片手に颯爽と振舞いたいのが女心というものです
お次は、ポットからカップに紅茶を注ぐ猛特訓
お客様に火傷をさせてしまったら一大事、最も慎重を要すると同時に目隠しメイドの見せ場です
角度と時間、注いだ量が常に一定になる様に感覚を研ぎ澄ませて
それから、ホール、キッチン、バリスタ、様々な訓練に励みました
反復練習の甲斐あって、皆目隠しウェイトレスの仕事を完璧にこなせるようになっています
初めはどうなる事かと思ったオーダーからご注文の品を席にお運びするまでの一連の動きに皆淀みがありません
学園祭の「目隠しメイドカフェ」は間もなく開店
素敵なお嬢様方のご来店をメイド一同、心よりお待ち致しております
心優しい皆様方、目隠しメイドの仕事をどうか暖かく見守りお声がけしていただけると嬉しいです
目隠しメイドカフェは来賓、OG、教師、他関係各位の皆様方に大変ご好評をいただきました
全国の女学園にも反響が広がり、同様の催しが伝統化しつつあります
学園内のカフェでは目隠しメイドカフェが公認のアルバイトとなりました
目隠しウェイトレスのカフェは今後、全国で開店予定との事です
目隠しメイドのおもてなしで心安らぐひと時をお楽しみ下さいませ
ensemble乙女シリーズでこういうイベントを見たいものです
2023-11-09 13:22:31 +0000