「中華×軍服」ネタとしては今年初めの illust/104941184 以来、かつ、ある意味それとシンメトリーな内容の投稿となりました。なお人民解放軍がらみとしては、昨年8月1日にスイス軍とのコラボで投稿した illust/100149574 以来となります。
周知のとおり、現実に1965年に制定された人民解放軍のいわゆる「六五式」軍服は、階級章(階級制度自体)が全廃されて、オリーブグリーンの人民服スタイルの制帽・上下に赤い星の帽章・赤無地の襟章のみがつくという、極めて特徴的なもの。翌1966年に始まる文化大革命を軍服において先取りすると同時に、文革期の中国を象徴するアイテムともなりました。
さて今回の絵は、中国が国全体としても文革路線に走らず、軍服も1955年制定のいわゆる「五五式」からの流れが温存されて、1960年代後半に微修正が加えられた、という状況を想定しています。ある意味、以前投稿した1972年制定という設定の、名づけて「七二式」( illust/38811757 illust/38835969 illust/38859202 他)の前段階ともいえます。
当初、この軍服を1968年制定の「六八式」あるいは翌年の「六九式」あたりに設定しようかとも考えていたのですが、上に書いた既投稿と世界観をつなげるならば、「七二式」とあまり年代が近寄らない方が良かろうと思い、結果、現実世界では五五式からの流れを断絶することとなった「六五式」の名を冠した次第です。
主なポイントは1ページ目で図示しているように、
●折襟の高さが従来より低い仕立てに
●これを受けて、襟章につく兵科などを示す徽章も、従来は襟章の長辺に平行に付けられていたものがこれに直交するつけ方になる
●制帽天井部の線が、旧日本軍の「チェッコ式」ほどではないものの側頭部が低くなるようなカーブを描く
●常服も金ボタンが標準となる
といったところで、全体的に「東側諸国」のスタンダードに近づいたという感じでしょうか。
2枚目は全身図を水彩タッチで描いたもの。袖の折り返しが従来より長めになり、この点でも東側スタンダード(というか、中・東欧軍服の系譜?)に近づいています。ズボン・靴は従来通りの短靴としましたが、この箇所が乗馬ズボン・長靴だと朝鮮人民軍っぽいかも?
2023-11-08 23:48:04 +0000