無題

mizz

political manga

封建制を終わらせ、資本主義社会を準備した君主

私たちの資本論を読む会は、今丁度、資本主義社会を産み出す過程を取り上げている、第27章(英語版)を読んでいる。マルクスは、英国の農地を領主らが、羊の牧場にするために、農民たちを剥ぎ取り、放り出す場面を取り上げ、農民が労働者となる過程を読ませるのだが、もう一つ、資本家らの誕生にもそっと触れる。労働者がいない資本など何の意味も持たないのだが、剥ぎ取られた農民を労働者にするもう一方の資本家の存在があって、労働者となるからである。マコーリーの「英国史」1854年に書かれていることを、マコーリーの過少数字を引用して、何故彼がその存在を小さく見積もるのかも理解させてくれる。皆さんにも、われらが読書会への参加がいかに面白いのかも伝えることができるところだからである。「自由な土地を所有する小農業者が現れた。土地所有は封建制下のものではあるが、暗黙裏に土地所有ができた。その数は16万人、人口の1/7に達していた。この数は借地農業をする者よりも多かった。」マルクスはこの数値をマコーリーなる歴史偽造家の極小化手法によるものであるからこそ引用すると書いている。すなわち、もっと多くの土地所有小農業者数が多かったと指摘している。かくて、何故この一文が記されているのかに、直面する。また何故土地所有に該当する小農業者が生じるのか、その歴史的過程をも知ることになる。この数値から当時の人口が分かり、4/5が農業人口であったとマコーリーの数値もあるので、農業人口、土地所有小農業者数が分かる。先を読めば、この小農業者こそが、その一部ではあるが、資本家となり、農民から、工場手工業の労働者を、その労働力を買う者の存在準備となったことが分かってくる。十字軍、百年戦争、薔薇戦争と続いた封建領主たちの疲弊が、領地支配を緩め、また商業の勃興、地代の金納化、羊毛工業の進展があって、ここに至ったことが分かってくる。薔薇戦争が領地争いを収束させ、一人の王の存在を生んだ。ヘンリー7世(在位1485-1509)であり、王権神授説を云うヘンリー8世(1509-1547)である。地代を支配下全域で、金納とする法を定め、その財産をもって、国家維持、外交、商取引に力を注いだ。この羊毛商売こそ、囲い込み、農民剥ぎ取りに領主らを誘い、農民をして、労働者に転換させたのである。

#封建制#ヘンリー7世#ヘンリー8世#資本主義社会#十字軍#百年戦争#薔薇戦争#囲い込み#農民#労働者

2023-11-03 05:27:23 +0000