豊葦原に一人のお姫様がおりました。太陽のように輝く髪と空を凝縮したような蒼眼をもつお姫様は、ある日炎の色をした海賊に出会いました。その色のとおりに強く熱くそして優しい海賊に段々とお姫様は惹かれ始め、やがて二人は恋に落ちました。しかしその事を耳にしたばあやは、お姫様を星々の流れる河の岸辺に閉じ込めてしまったのです。 「貴女様はこの国の王となられるお方、ご自身の立場を弁えるのでしたら、一年に一度だけあの者と会う事を許して差し上げましょう」 たった一人残されたお姫様は約束の日をただただ待たなければなりません、ええ、本来でしたらそうなる事でしょう。ばあやは知らなかったのです。海賊に翼があったことを。 「天の河なんざぁ俺の翼にかかりゃひとっ飛びさ。迎えにきたぜ、姫さん」 こうして二人は遠く遠く権力も地位も届かない場所で幸せに暮らしたのでした。 / なんちゃってサザ千七夕物語。おめでたい頭しててすみません…。
2008-07-09 08:31:13 +0000