エリス・アテーナー

てんのこえDX

アイスランドの至宝とも呼ばれるヨークルスアゥルロゥン氷河湖。
観光名所でもあるここではある噂が流れていた。

この凍てつく海を泳ぐ人魚がいると。

クルーズ船での目撃が多発しており、その人魚を見るために訪れるものも少なくない。
「本当に人魚なんているのか? アザラシの見間違いだろ?」
「でも、見た人が何人もいるし、ホラ、写真だって」
スマホの画面には確かに人が海面に浮かんでいる。
「これクルーズ船から落ちたんじゃないのか?」
「バカね、ここに落ちてこんな涼しげな顔できるわけないじゃない?!」
「それもそうか・・・・。でも下半身が見えないから人魚って決めつけるのもどうかと・・・えっ?!おい!あれ!?」
無数の氷河が浮かぶ海面に青い髪の少女が浮かんでいる。
「おいおい!あれじゃないのか!おーい!」
観光客の男性は興奮気味に少女に手を振った。
「いたいた!人魚だ!」
20人近く乗った観光客全員が少女の方を見て騒いでいる。
そのほとんどがスマホを少女に向けて写真を撮っている。
すると、少女はニッコリとほほ笑むと水中に潜ってしまった。
「また上がってこないかな・・・」
少しして海面が盛り上がるとクルーズ船が大きくバランスを崩す。
「うわぁ!!なんだ!?クジラか!?」
盛り上がった中心から青い髪の人魚が勢いよく海面から空絵と飛び跳ねた!
「すっごい!!やっぱり人魚よ!」
「スゲェ!人魚って滅茶苦茶パワーあるんだな!」
空に飛んだ少女は小さなビキニを纏っており、下半身は青い魚のような・・・
「ん?あれ?人魚じゃ・・・・ない?!」
よく見ると青いスーツに紫のブーツを履いている2本の脚が見える。
「え?人間の女の子???」
少女は空中高く前い上がるとそのまま浮遊しているが何か袋のようなものを持っている。
そしてその袋をクルーズ船の方に投げつけた。
凄まじい勢いで向かってきた袋だったがクルーズ船の真上まで来るとゆっくりと下降し
観光客の一人がその袋をキャッチした。袋は濡れているが割と軽い。
中を開けてみると酒の瓶やら缶やらゴミが入っている。
「こ、これは・・・」
観光客が中身を見るのを確認した少女は空中に浮かびながらニコニコと手を振っている。
「そうだ!」
スマホで画像を見せていた女性が立ち上がり少女に向かって大声で
「ごめんなさーい!みんなに!言っておくから!絶対に捨てないように!言うからー!」
その声に満足したのか、少女は再び海の中へ戻り、海底へ潜っていった。
「・・・絶対・・・言うから・・・」

その後、女性はSNSでこの事を配信し、多くの人々からの注目を集めることになった。
そして海への投棄は格段に減っていったのだった。

AI-Generated #original character#boot#gloves#tight#underwater

2023-10-29 12:42:17 +0000