頬に残る、あの日の痛ましい火傷の跡…出産とともに亡くなりし君へ。
君と初めて見た映画「銀色の月明かりの下で」に君は魅了されて、マージョリーと同じドレスで結婚をしたいと、自分でドレスとタキシードを拵えた。タキシードはビルが着ていた軍服と同じもの。
君の誕生日前夜、すっかり弱り果てた君を病院の屋上に誘ってダンスを踊った…それがラストダンスとなった。信州富士見高原の夜空の下、「銀色の月明かりの下で」を歌いながら
君は最後の最後まで、弱った姿を僕に見せる事はなかった。痛いとも、辛いとも、苦しいとも、一言たりとも弱音は吐かず、最後まで僕らの神拝をして逝ってしまった
君が最後に囁いた「また後の世で会えるに。その時はまたともに映画を見てあなたと踊りたい」この言葉の意味も分からずまま。
2023-09-18 08:15:16 +0000