「エリスさん、大丈夫ですか?後のことは我々に任せて、どうか休んでいてください」
「ああ、すまない」
魔物に顔に飛び掛かられて負傷したエリス。ケガ自体は小さいが何か怪しい体液をかけられたせいでぐったりとしており、しばらくの間療養することになった。
「……最近のブルーは様子がおかしいと思っていたが、あれは本気で私を心配しているようだった……考えすぎ、か?」
「どうしましたか、エリスさん?」
自分に肩を貸してくれている一般兵の伺うような顔つきに、エリスはハッとする。
「いや、なんでもない……みんなに伝えてくれ。いい機会だからブルーのやつもしばらく休ませてやってくれ、とな」
「……ええ、了解しました!あの方も前々から戦いすぎで心配してましたからね!『監禁』してでも大人しくしててもらいます!」
「は、お前、そんな面白い冗談を言うようになったんだな」
目立たない存在だった女性兵士のらしからぬ冗談と明るい口調に苦笑しながらも、エリスは自室に着くなり鎧のまま横たわる。
「だらしないが、少しの間許してくれ。あとで着替える」
「ええ、ではおやすみなさい。エリスさん!」
2023-09-11 15:14:03 +0000