朝ドラ『あまちゃん』の東京編⑨

長崎好太郎

上京し、東京見物を楽しんだ夏には橋幸夫と会う願望があった。夏が19歳の頃、北三陸で歌謡ショーが開催され、橋は絣半纏姿の夏が気に入り、「いつでも夢を」を2人で熱唱したことがあった。無頼鮨で、夏の打ち明け話を聞いたアキは、夏が北三陸の元祖アイドルだったと知り、感慨にふけった。そこに来店した鈴鹿は、映画『潮騒のメモリー』で共演経験のある橋と、面会の段取りをつけてくれた。後日、スタジオで対面した橋は夏のことを正確に覚えていた。橋と夏は無頼鮨に集まりアキたちの前で、「いつでも夢を」を再びデュエットした。
夏は、足立よしえを連れて北三陸に帰郷。梨明日で謝るよしえに、ユイは反発。だが結局、温厚な夫功の働きで足立家は元の鞘に収まることに。一方、教育テレビ番組の『見つけてこわそう』で話題沸騰のアキは、公開テレビ番組にご当地アイドルとしてゲスト出演。だが、控室で水口に「彼氏できた?」と突然尋ねられ、アキは本番中も動揺。MCの「最近のお仕事は?」の問いにアキは、「恋人がお仕事です。あっ、間違えた。お仕事は、恋人です…、あれれ?」と答える始末。結局、種市への恋愛感情を水口に知られてしまった。
2010年、荒巻が、陰りの見えるアイドルたちを主演させて映画を複数制作する「太巻映画祭」を企画。10本目の作品『潮騒のメモリー』(リメイク)は自身で監督し、鈴鹿にヒロインの母親役での出演を交渉した。鈴鹿は出演の条件として、ヒロインは鈴鹿の立会いのもとオーディションで決めることを提案し、荒巻も仕方なく了承した。

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2023-08-18 16:03:41 +0000