深海の環境汚染を伝える魚 ミズウオ

蒼海アクア
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ヒメ目ミズウオ科 Alepisaurus ferox

北海道南岸から琉球列島を含む太平洋,インド洋,大西洋,地中海の水深900~1500mの深場に生息する大型の深海魚で、大きいものは体長が約2mに達する。大きな第一背鰭と鱗の無い銀色の細長い体、そして鋭い歯がびっしり生えた口が特徴。この大きな口で獲物を見境なく丸呑みにしており、食べ物が少ない深海で確実に獲物を捕らえるべく歯を鋭く発達させてきたとされている。筋肉には多量の水分と脂肪分を含んでおり、火を通すとそれらが抜けて肉が溶けるように縮んでしまうことから”水魚”という和名が付けられたという。ちなみに新鮮なものを生で食べるとこんにゃくのような味がするらしい。

印象に残っている深海魚第二弾はミズウオです。僕が東海大学の清水キャンパスに通っていた頃、そこの図書館で発行されていたポストカードに本種の写真が掲載されていて、目にする機会が多かったのです。解剖された胃の中からチョウチンアンコウやハリセンボン等が確認されていることから深海の強力な捕食者とされていますが、見境なく丸呑みにする生態上、深海に沈んだプラスチックゴミまでも吞み込み、窒息死してしまうことも多いようです。事実、海岸に打ち上がったミズウオの胃の中から多くのプラゴミも見つかっており、深海まで達している海洋プラスチック汚染が如何に深刻であるかを指し示す重要な種にもなっているのです。

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2023-08-13 08:16:10 +0000