空のお椀

小さい頃親父に、新宿の雑居ビルの地下にあるラーメン屋に何度か連れて行ってもらったことがあります。
親父は必ず空のお椀を頼んで、猫舌の私が食べやすいよう取り分けて冷ましてくれたのでした。
あれから50年近く経ち、親父は天へ旅立ちましたが、私の猫舌は治らず。
でも、どうにか大人になる頃どんぶりから直接食べられるようになったのでした。