1989年、春子はタクシーを拾い、上野駅に向かった。運転手は、初めて影武者を務めた日、春子と荒巻をスタジオまで送った黒川正宗だった。カーラジオから「潮騒のメモリー」が流れ、2人は秘密を共有していることを知った。正宗は春子のファン第1号であることを熱弁。その後、2人は結婚してアキが生まれた(1991年11月23日アキの誕生日)。一方、GMTのデビュー曲「地元に帰ろう」の企画が始動。GMTに降格した有馬めぐを利用して売り出す戦略だったが、有馬の熱愛スクープが報じられ、荒巻は中止を決断。アキは猛抗議し、GMTのデビューを引き延ばすのは自分が春子の娘だからかと詰め寄ると、荒巻はそうだと認め、春子と鈴鹿の秘密をアキと水口に打ち明けた後、アキを解雇した。落ち込んだアキは電話でクビになったと春子に話し、北三陸に帰りたいと泣きついたが、春子は許さなかった。
その時、春子はかつて自分がアイドルの夢を諦め帰郷する直前に夏と電話で話した記憶が蘇った。田舎に帰りたい春子を夏は厳しく突き放し、春子はたまらず電話を切り、そのまま19年間音信不通に。あの時と今を重ね合わせた春子は、アキのため、上京を決意した。
2023-07-29 11:46:42 +0000