kanata原神二次創作小説【神隠し 風龍と岩神】【風龍の御心】
オリジナルキャラクター、幸。またの名を風厳
かつてモンドと璃月の境で暴れていたという風龍。しかし、幼子ながら、人との戯れを好んでいたため、彼は暴れていただなんて自覚はなく、ただ自身を封印したかの魔神に恨みがあった。しかし、岩神に見つけられ、力の使い方を学んだ彼は、共に生きる夜叉達、仙人達と共に魔神戦争を生き抜き、岩神の右腕として、語り継がれていた。その、はずだった。
今の璃月に彼を知る者など数えられるほど。しかも、それらは彼と共に生きた者達のみ。彼が居なくなった後も忘れることなく、探し回っていたという。
そして、彼は見つかり、三度、行方をくらました。だが、彼等の慕う者が探すのをやめろと申した。
「彼はもう、羽が生えている。空高くに飛んでいる方が、彼には似合うだろう？」
その言葉に彼等は納得した。案の定、彼は昔から璃月の上空を飛び回るのが好きだ、戦場で武神と謳われるほどの強さと自由奔放な動き。まさに、彼には自由が似合っていたのだから。
しかし、納得行かず、彼に問うた者が居た。それは、彼がいっとう大事に、可愛がっていた風の夜叉。
「あの方は貴方の側に居るのですね。ですが、外には出さないのですか？」
それに彼は微笑んで答えた。「勿論、外には出す。だが、それはいつのなることやら」
風の夜叉は彼が笑った顔に初めて背筋が凍った。だが、彼は気にもとめていないようだ。風の夜叉は誓った。いつか、あの方が再び外に出た時、心から笑えるよう、彼が自分にまた、笑いかけてくれるように。この国を守ってゆくと。
2023-07-27 07:27:17 +0000