フジリュー版#207

はるめ

今回、陛下が赤毛の親友に抗ってみせたのは意外でした。こ、こうくるか……! フジリュー版回廊の戦いがどう着地するのか、一気に判らなくなった感。それにしても、「戦わせてくれ、これが最後だから」って……普通ならこれで平和がくるって意味だけど、陛下が言うと……だって陛下が戦いを止める時って、つまり息絶える時じゃないですか……本当に、このヤンとの直接対決が済めば、死んでもいいんだろうな。しかもこれを周囲の誰にでもなく、死せる友人に言ってるっていうのがやるせない。

そしてこれまた意外だったのが、ロイエンタールの見せてくれた非常に人間的な姿です。混乱する戦局の中の誤報にすぎなかった「ミッターマイヤー戦死」にあそこまで取り乱し、無事を確認できたら涙まで……! 当たり前だけど、他の誰でもなく、ミッターマイヤーだからですよね。さらに、ここで陛下への反感へも繋げていく。ロイエンタールという人物像はとても難解ですが、今回のフジリュー版の描写はミッターマイヤーへの心情を中心として大変明快で共感できるものでした。
ただ、個人的にはもう少しロイエンタールは自分本意というか(利己的というのではなく)、陛下に仕えるのも、「自分が膝を屈するにふさわしい覇気を持っている限り」というようなイメージがあって、「陛下の闘争心がミッターマイヤーを犠牲にする」ということがここで沸点になるとは思わなかった。でもそういえば、フジリュー版双璧は「もうひとつの半身」として赤金と明確に対比されてましたし、あの初対面時、ロイエンタールは「ミッターマイヤーの他に失うべき人間が見当たらない」とまで言っていました。えっこれって陛下の「失うべきものを持たなくなってしまった」にも通じるのでは!?←今更
さらにそういえば、原作でもロイエンタールは「キルヒアイスを除いた部下たちは道具にすぎないのではないか」と言ってました。これはキルヒアイス死後かなり早い段階での言葉でしたが、フジリュー版ではここにこういう形で反映されているのかな。この言葉と、今回の引き場面の「フハハハ次はお前行ってこい!」な陛下を見ちゃうと、なんとも……別に使い捨ててるわけじゃないんだけどね。陛下の深い業を思わされる。

先が楽しみ〜!!
最新巻は来月発売予定とのことで、極暑の繁忙期を頑張る励みが増えました😊

#赤金#フジリュー#感想

2023-07-25 08:42:59 +0000