戦前、日本放送協会が制定した放送局型第123号受信機の回路図並びに受信機本体をアレな方向へ擬人化したものです。今から6年位前に同人誌でラジオ修理本を出した時に描いたモノで御座います。放送局型受信機と申しますのは、昭和13年に日本放送協会が性能良好・有害放射低減を目的として制定した統一規格のラジオであります。然しながら翌年早々物資統制による資材不足からトランスやチョークコイルと云った鉄・銅を大量に使う部品を省略した戦時設計型に切り替えざるを得なくなり、当初の目論見は外れてしまいました。その結果生まれた微電界級の123号受信機は、電源トランスを省略した為ヒータは各真空管と電圧安定用バラスト管を直列に接続し、B電源は倍電圧整流で対応しています。そのお陰で通電中にシャシーに触ると感電しますがー。当時は資材不足により部品の品質自体が劣悪だったので故障続発の粗製濫造ラジオ扱いだった様ですが、回路そのものは一般的な四球高一ラジオですので最近の部品で組み直してやれば現在でも充分使えます。まあ、真空管が日本独自規格の特殊品ですから勿体無くて中々使えないのが実情ですw(;´Д`) 以前NHKが歴史モノ番組をやっている時にたまたまコレで聴いていたら、よりによって開戦の臨時ニュース音源なんぞ流してくれたものだから飛び上がって喜んだりしたとか、そんな思い出も。 因みに何で「兵器擬人化」なのかと云えば、日本放送協会の中のヒトが「ラヂオは国際宣伝戦の新鋭武器です」と云っているからー、らー。・・・うん、まあ、何だ。正直スマンかった。 参考資料:「昭和16年ラヂオ年鑑」「昭和17年ラジオ年鑑」「ラジオ受信機の解剖」「改訂ラジオ技術教科書」
2010-06-01 19:25:12 +0000