東武鉄道N100系:
2023年登場。2021年11月11日に導入計画および形式名・エクステリアが発表された、100系(illust/28328384)「スペーシア」の後継となる特急形電車であり、製造は日立製作所が担当。
本形式の車両愛称名である「スペーシアX」については、東武鉄道の日光・鬼怒川エリアへの輸送の代名詞としてお客様に長年愛されてきた特急スペーシアの伝統を維持・継承するとともに、新型車両に期待される役割を象徴した「X」の文字を加えることで、特急スペーシアの正統進化を想起させるものとしている。
車体デザインは鹿沼に伝わる組子や竹編み細工といった江戸の手仕事を思わせる、丁寧につくられた工芸品のような佇まいで大切なものを包み込んでいるかのようなフォルムとなっており、カラーリングは日光東照宮陽明門・唐門・御本社に塗られた「胡粉(ごふん)」の白を彷彿とさせる高貴な白をイメージしている。
1号車と6号車は運転席周辺の丸みを帯びた形状や、スカートと呼ばれるパーツは100系スペーシアの形状をアップデートしており、
窓枠は、江戸文化の組子や竹編み細工を現代的に取り入れ、伝統と革新を感じさせるエクステリアとした。
走行装置は、VVVFインバータ制御装置にハイブリッドSiCを採用し、3号車と5号車に設置した。
500系(illust/64407782)同様に車両情報制御装置 (T-TICS) を二重系統で搭載しており、効率的な制動力の分配による消費電力の削減や制輪子の摩耗低減が期待できる。
特別車両となる1・2・6号車の台車にはフルアクティブサスペンションを設置している。
内装は6タイプの座席から構成され、うち「スタンダードシート」以外は特別料金が必要となる。
1・6号車のデッキには日光・鬼怒川の自然をイメージした映像を表示する天窓型液晶サイネージを設置し、季節ごとに異なる映像を投影する。
また5号車以外のデッキにはICカードによるワイヤロック式の荷物置き場を設ける。
トイレは2・5号車にあり、うち5号車にはバリアフリートイレも設置する。ほか5号車には車いすスペースを設備し、東武鉄道では初めての設備となる多目的室もある。
1号車は「コックピットラウンジ」で、運転台に向かって右側に2人掛け、左側に4人掛けのソファ型座席をそれぞれ3組、運転席の真後ろに展望型の1人掛け座席を2席配置しており、座席は各組単位で発売される。
「時を超えるラウンジ」をテーマに日光金谷ホテルや大使館別荘をイメージした客室内はカーペット敷きで、後位側にはオリジナルのクラフトビールやクラフトコーヒーを提供するカフェカウンターがある。
2号車は2+1配列(1列のみ1+1配列)のバックシェル付き回転リクライニングシートを12列配置した全35席の「プレミアムシート」。
座席は東武鉄道では初となる電動リクライニング機構とネックサポート型可動式枕が取り付けられており、肘掛けには内蔵式テーブルとコンセントを備える。
3・4・5号車は2+2配列の「スタンダードシート」で、従来の「スペーシア」の設備に加えて全席が背面テーブルとコンセントを装備するが、フットレストは省略されている。また5号車の同じ区画には、パーテーションによる簡易コンパートメントの「ボックスシート」も設けている。2人掛けであるが、1席に大人と子供が1人ずつ座ることができる。
6号車は個室のみで構成され、定員4人の「コンパートメント」4室と定員7人の「コックピットスイート」1室からなる。
コンパートメントは「スペーシア」の伝統をアップデートした個室と位置付けられており、コの字型のソファーと折り畳み式のテーブルを配置する。
コックピットスイートはプライベートジェットをイメージした最上級座席で、移動可能なソファーとミニテーブルを備えた個室となっている。
製造は2022年から行われ、翌2023年3月に第1弾となる2編成が納車された。2024年にも同じく2編成を導入し、計4編成24両を運用する計画である。
2023-07-16 14:53:56 +0000