【幻ロボ3】かくれんぼでソレは、反則じゃね?【交流】

堕魅闇666世

レオンズモートの作戦方針illust/109852208
に協力し、
ルルシェillust/108974075
もグリンデル城砦南方に潜伏しているであろう
敵勢力illust/109064409
の警戒に当たります!

未知の敵を捜索する一行ですが、その行方は何処・・・!



グリンデル城砦南方、星灯りの草原を見渡す山裾を
ブレアクア伯爵家所有の獣骸城砦、レオンズモートが悠然と進む。
その任務は、主戦場の背後を狙うであろう
大十島の軍勢、九尾党をはじめとする斥候衆による
隠密行動に対する警戒である。

「皆さま、ご苦労様です。周辺の索敵はほぼ最終段階です。
集まった痕跡を元に、敵の潜伏位置はほぼ特定されつつあります」
レオンズモート城代、クララ・ヒュージムの指揮は
実に手際よくそつがなかった。
未だ姿を見せることなく山裾の稜線と森を巧みに使い
姿を隠す敵を、レオンズモート所属の限られた兵力の
的確な運用で着実に追い詰め、地図上の空白を丁寧に埋めていった。

野営跡、機装兵の足跡、薙ぎ倒された灌木。
細かな痕跡を拾い見えざる敵の行方を追い、
ついに今、その所在を特定した。
「あとは・・・若のご判断に委ねます。
どうぞ、お下知をお願いいたします」
直接戦闘を徹底して避けてきたからには、レオンズモートの
戦力に対し彼らは正面切って対抗できる規模ではないのだろう。
あとは、詰めの一手を指すのみだ。

「どうした?勝てる戦なのだろう。
一息に終わらせてしまえば良いではないか、許嫁殿?」
既に万全に整備され、出撃待機状態の愛騎ハウンスカルに搭乗し、
自らの目前に座る刃角の言葉に、ハルフ・ブレアクアは
神妙な面持ちで低く唸る。
「・・・そう。順調すぎるんだ。
空を支配し、敵陣を把握した上で、最後には
戦士一人一人の武勇を恃んで正面決戦を挑むボルソルン連合と、
熟練の隠密組織をいくつも抱え、慎重かつ巧妙な
地上からの奇襲作戦を軸に絡め手も積極的に仕掛けてくる
大十島では戦のやり方がまるで違う。
・・・こと、斥候について未だ専門の組織が乏しいカエリムは、
ガスイン城砦都市陥落以降ずっと後手に回っていた。
・・・それが、今は完全にこちらの意図通りにことが進んでいる。
おかしいと思わないか?」

眇めた視線の先に地図を睨みつけ、見落としているであろう何かを
見つけ出そうと目を凝らすハルフの思い詰めた表情に、
刃角はあっけらかんとため息をつく。
「要するに、ビビっておるのか?
相変わらずケツの穴が小さいな、許嫁殿は」
「え!?!?あーたら、そーゆー感じなワケ???」
すかさず割り込む、場違いに素っ頓狂な声。

「違います!!・・・コホン、ルルシェさん、ここが正念場です。
改めて、お願いしますよ!!」
仏頂面で訂正するハルフにちぇー、とでも
言いたげに口を尖らせつつ、アルルアリエスの
ネイルビットを展開、レオンズモートの城郭に居並ぶ
魔導騎たちに、先日も活用していた『遠見』の加護を施す。

一斉に散開し、見定めた山林の一角を押し包むように
捜索網を引き絞っていく魔導騎たち。
その視覚はルルシェの施した魔術により大幅に拡張され、
どんなに些細な違和感であっても見逃さない。
もはや、見えざる侵略者たちの正体が暴かれるのも時間の問題だ。

・・・そのはずだった。
「おかしいですね・・・上空にも、山側にも、
逃れる機影は確認できていません。
我々の監視網をくぐり抜ける隙間はないはずです。
それなのに・・・見つからない??」
「そうは言うがな、クララ。こうも入り組んだ地形では
遠巻きに眺めるだけでは死角も多い。
もう少し分け入らねばどこに潜んでいるかも分からんぞ?」
刃角の進言に、沈思することしばし。
「・・・仕方ありません。
皆さん、奇襲や罠に警戒して侵入してください。
必ず2騎一組で行動して、互いの死角の警戒を怠りなく」

上空から捜索エリアの全体を俯瞰し、
奥地へと踏み込んでいく僚機の姿を見守るルルシェ。
「なぁ、ブレブレ?あーたの騎体って自分で設計してるんよね?」
一人ぼっちの留守居に退屈し、問いかける声にも緊迫感が欠ける。
「そのエッチな操縦席もあーたの趣味なワケ?」
ブフッッッ!!
努めて聞き流そうと沈黙を守っていたハルフが吹き出す。
「いえいえ・・・元々一人乗りの騎体を複座に改装したんですよ?
こうなるのも致し方ないでしょう」
「・・・と、言うのは建前でな。
どうも許嫁殿は戦場に一人で出るのが不安らしくてな、
わしに少しでもそばにいてほしくてしょうがないのだ」
にやり、と悪戯っぽく微笑む刃角の背後で
ハルフが赤面し、返す言葉を見つけられず面を伏せる。
「・・・いいね。ちょうだいちょうだい、そういうのもっと!!」

通信画面に身を乗り出すルルシェの視界の端。
レオンズモートの周囲に広がる草原の一角で違和感が生じる。
草原を渡る南風にそよぐ、丈高い葦叢の片隅。
転々と生じる陥没が次第にこちらへ近づいてくる。

「ンンっ??」
はて、と疑問を感じたルルシェが放ったネイルビットの爪先から
魔力を帯びた塗料が散布され、迫る足跡?の行手を囲む。
「おや!さすがに見つかってしまいましたね!!
こうなってしまっては・・・致し方なし!!」
光学欺瞞で姿を消していた機装兵がようやく姿を見せたかと思うや、
目にも止まらぬ早業で手裏剣を投げ放つ。

「げげっ!?」
咄嗟のことに対応しきれず、アルルアリエスの右の主翼が損傷し、
飛行能力を喪失した機体がレオンズモート上に軟着陸する。
「ッ・・・敵襲!総員、迎撃体制です!!」
クララの号令で、砲兵たちが配置につく。
その砲門の先には、素破、穿孔で構成された隠密衆が
隠密外套を脱ぎ捨て、先頭をいく頭領の後に続く。

「ヤッベ・・・ブレブレ!じんじん!!早く来てくれーーー!!」
アルルアリエスの右羽根に突き立った手裏剣には
『鶴駕』の文字が。
「さぁさぁ、月晶殿もご覧あれ!隠密、潜入、城砦陥しは
我ら鶴駕衆、『暮井 丹』にお任せですよっ!!」

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2023-07-16 09:33:33 +0000