「凍て付く、無機質な、世界に、何を望むの?」・・・さて黒崎真音女史顕彰画とさせて戴きたく存じます。さて振り返れば2010年(S85orH22)に、かの『H.O.T.D.』のEDテーマ曲でメジャーデビューされし彼女は、其れを皮切りにして、以降、数々の人気作品の主題歌を歌って来られました。此の番組のOPテーマ曲も印象に残りし一曲です。其れにしても享年35とは、何ともはや。しかし大切な事は矢張り何を遺したか、と云う事でしょう。これ迄に歌われてきた様々な曲は、これからもファンの人々に依って歌い継がれて往く事と成りましょう。一方で不意に思う事は、年数の物理的な数値の長短は必ずしも重要では有るまい、と云う事です。表層的な期間の大小よりも、限られた時間で在ったとしても、其の間に何を成したのか、と云う事で在ろう。然れど浮世では上辺の長期間ばかりが記録として珍重がられる傾向が顕著な様です。いや其れは時間的な数値に限らず、空間的な数量に於いても同様だと云えよう。見掛けの数値ばかりが肥大化し、ぬか喜びが常態化する。其の挙句に芯が通っていない社会が構築されて往くのだろう。其れは其れで実に難儀な事よ。現に日経平均株価がバブル後最高値とやらを更新しているのは、典型的な実例だと云えるだろう。例えば画期的な技術革新が有って、其の技術力で優良な品質の製品が製造されて、売れ行き好調で企業の収益もup!結果として社会全体の景気も良く成って、其の景気の良さを示すパロメーター的な目安として、日経平均株価が高値を更新すると云うので有れば、大いに結構。だが現状はどうだろう。何らかの、まともな経営改善の努力も無く、寧ろ下請け等の弱者に負担を押し付けて居る様な状況で、見掛けの数値が上がった処で、所詮は泡銭よ。実質的には偽りの利益に過ぎぬ。現実に低所得労働者の待遇が改善されて、収益が還元されねば絵に描いた餅以下の虚構よ。まあ虚偽答弁が横行する腐敗した国家には寧ろお似合いかも知れませんね。泡銭とは即ちバブル。何ヶ月後か、数年先かは現段階では不明でしょうが、今は再び弾ける為の準備期間に過ぎないのですよ。抑々株価上昇の主たる原因とは、海外勢の投資の効果です。喰い時が来たら利喰う。其れは当然です。プロの投資家とは然うしたものでしょう。まあ何処ぞの政治業者達もプロの筈ですが料金が高額な割に低レベルなサービスをユーザーに提供するばかりなのとは大違いでしょうな。いづれにせよ、向後のFRB即ち『連邦準備制度理事会』の動向次第でしょう。いや、定例通りの流れなのだろうが、其れは結局の処、自国側に独自の経済政策や金融政策が、有って無きが如しで有ると云う実態を立証するだけの話と成ろうよ。まともな政策を立案する事も無ければ実施する事も無い。其れで居て、無暗矢鱈と高額報酬を得て居る。大したものだ。失策は認めようとすらせずに、海外に責任転嫁して、負担は一般庶民に押し付ける。社会状況の悪化さえも誇らしげな実績へと脳内変換して高額報酬をせしめる。とんでもない悪政だが、容認されて仕舞う。其れが権力パワーの効力なのですよ。斯様な輩を野放しにして来た結果が「失われた30年」なんですよ。救う可き者を救おうとはせずに、赦しては成らぬ輩を赦し続けて来た。赦されざる者共が赦され続けて来た結果、彼等や彼女達のエリート意識は高まり、増長する。思い上がった権力者達が何をやらかすのか・・・其の答えは既に示されている。昨年に実施されて今年春に露見せし公邸忘年会事件も思い上がった権力者達の所業の、典型的な実例だと云えるだろう。いやいや世上でも大いに話題と成った例の組閣ごっこの有り様等は、将に増長を絵に描いた様な体たらくで在ると云えよう。如何なる理由が有ろうとも、断じて赦しては成らぬ所業である。しかし権威主義思想に染まった者達は尤もらしく表層的な形式論を並べ立てて悪行を赦す処か賛美迄しようとする。そんな事をしてもエリート気取りの権力者達は増長するばかりと為ろう。結局、権力者を褒め称えても悪政も温床と化すのである。其れは「失われた30年」と云う現実に因って立証されている。現実から目を背ける事は、悪政に加担する事に等しい。そんな事では、権力者と其の近しい一味が肥え太る一方である。難儀な事よ。さて、不意に振り返らば、何処ぞの最高権力者は一昨年の2021年(S96orH33orR3)12月辺りに選挙で落選せし経済再生大臣とやらを内閣官房参与として再生させて大いに批判されて居たが、何やら両者はドライマティーニの会とやらの御友達との事で、あからさまに近しい者を厚遇したと云う訳ですな。此度も近しい身内を政務担当秘書官に大抜擢して猛烈に批判されて居た。詰まりは、あの当時から「1μも」成長されていらっしゃらない御様子が見て取れます。やれやれ。さて然う云えば、最高権力者の親戚筋には、例の財務真理教の教徒が多数、犇めいている件が、嘗ての総裁選前後の時期に指摘されて居たものでしたが、例の新しい資本主義とやらも、財務真理教の教義に則った悪政に過ぎぬ件は、一連の値上げラッシュが一般庶民の懐具合を寒からしめて居ると云う現実に因って立証されて居る。いやいや抑々経済とは「経世済民」の略語であり、庶民の懐具合が温まらなければ、如何なる経済対策も字句通りに無益である。民衆に無益な政策を押し付けておき乍ら、官吏共は私腹を肥やすとは、将に悪政に他ならぬ。しかし反民思想にどっぷりと浸かった彼等や彼女達は自らを正当化して飽く事を知らぬ。抑々官吏が民間人に奉仕する事は法の定める処ですら在る。だが果たして現実社会に於いて奉仕させられているのは、どちら側であろうか!遵法精神に乏しき権力者達には認識不可能ですら在ろうよ。不意に思わば先月の5月19日金曜日から23日日曜日はG7広島サミットが開催されていたが、其の前後に何処ぞの島国の最高権力者は矢鱈と「法の支配」を連呼して居られたが果たして其の指し示す処を明確に認識しているか否かに関しては大いなる疑問であるな。是の「法の支配」即ち「Rule of LAW」とは欧米由来の原理で在る為、東洋に於いては馴染みの稀薄な概念かも知れ無い。現に自国に関しては矢鱈と「法治国家だ」と云う風に連呼して居るお利口さん達も少なくない。だが、どれ程に尤もらしい形式論を並べ立てた処で、所詮は「Rule by LAW」を正当化して居るに過ぎぬ。是の「Rule of LAW」とは、専断的な国家権力の支配を排して最高権力すらも法を以て拘束すると云う事を指す。詰まり、自国の権力者に慎み深く在る様に促す際に用いられるのが本来の在り方で在り、どうにも他国に対してあれこれ述べる際に用いたとしても虚しいばかりと成ろう。いや寧ろ和訳自体が不適切とも云えよう。寧ろ「法の制約」位に訳した方が適正かも知れない。特に権威主義国家に依る圧政が続くと、法律を絶対視したがるものですが、其れは所詮、錯覚に過ぎません。権力者にとって都合よく拵えられた法律を、民衆が守らせられるのは不適正です。民衆「を」守る為に、権力者に対して法で以て制約を課す事こそ、民主主義の在る可き姿なのです。古来より「国に諫むる臣あれば、其の国必ず安し」と云います。権力者を褒めそやしても徒労よ。
2023-06-16 02:31:52 +0000