こちらの企画【illust/101528139】に4期継続で参加させていただきます。
☆彡素敵なご縁をいただきました
名前:リィルラ
所属:月の国
奇病数:【0】
年齢:?(97)
性別:♀
大きさ:小さめ
とくせい:ねつぼうそう
一人称:わたし 二人称:あなた
2期CS【illust/106307224】
3期CS【illust/107666230】
☆部族:落とし星の民【illust/105622940】
「ああ、皆...こんなに大きくなって」
「立派な長、補佐様ね。ええ、大丈夫」
「素敵な運命…よかった、皆、どうか幸せにね」
「……ああ、どうして」
「泣いてばかりは、いられないわ」
「…この居場所が散り散りにはならないように」
「どうか、どうか…その魂が、平穏でありますように」
涙を隠すための布はもう要らない。
「わたしはここにいる。最期まで、星は輝くのだと」
「どうか頼ってくださいね。わたしが、守ります」
星のカケラを信仰し、収集する「落とし星の民」のフワライド。
先々代の長の頃から部族にいるらしく
彼女の若い頃を知るものはほとんどいない。
奇病に倒れるもの。
運命の絆を信じ抜いたもの。
様々な最期を、奇跡を目にしてきたという。
今も長や補佐、部族全体を慈しみ見守っている。
ついぞ自分は「運命」と出会うことはなかったけれど。
この星の加護こそが自分を守ってくれたのだと信じている。
いや、もしかしたら、まだ。
ぼろぼろになった星を受け取ってくれる「あなた」は
この綺麗な星空のどこかにいるのかな。
…そうして今日も、祈りを。
☆ミ運命の絆 一途な幼星
ローゼンさん【illust/108374280】
小さい頃からこの部族と共にいた。
ずっと覚えている。先々代のぬくもりも、先代の背中も。
決して狭くはないこの世界で、けれどまだ、「運命」と呼べるものには出会ってはいなかった。
そうしていつものように、夜空を漂っていたとき。
「え...?ふふ、どこも怪我していないですよ」
「空を...星をみていたんです。...あなたは…?」
(迷子、かしら…?)
「どこからいらしたの?...帰るところはあるかしら?」
寂しそうに、泣いているように見えたのかしら。
心配そうな顔をする女の子は、迷子ではなかったようで。
「わたしはね、『落とし星の民』なの。...聞いたことはあるかしら」
「お話?…わたしでいいのなら、是非。また、会いましょうね」
空が白んできた頃、彼女…ローゼン、と名乗ったあなたは花の国へ帰って行った。
驚いたことに、また会いに来る、と約束をして。
「あら、それは...?綺麗なお花ね」
「わたしに?...ふふ、ありがとう」
あなたが持ってきてくれるお花はとても綺麗で。
けれど保管をしておくような住処はないものだから。
綺麗なうちは大切に...頭に飾ることにしたの。
あなたに会うたびに華やかになっていく。
それを見てとても嬉しそうにするあなたがとてもかわいらしいな、と思ったの。
けれど…いずれ枯れてしまうものね。
「感謝と、深い喜びを込めて。...星と共に」
儀式のときに星に花を括り、共に神に還す。
あなたには最初、驚かせてしまったかも。
「儀式について、お話しましょうか」
「捨てた…訳じゃないの。ふふ、聞いてくれるのね」
色んな話をした。今まで見て来たもの。大切にしていること。
家族のような居場所のこと。...あなたの話も沢山聞いたね。
気がついたら、花の国の近くを飛んでいることが多くなって。
今思えば無意識に、あなたに会いたかったのね。
「そう、わたしが小さい頃...ローゼンぐらいの頃はね、長様の袋にいれてもらったりしたのよ」
「こんな感じ...ふふ、暖かいでしょう」
「そうね、奇跡…運命の絆はわたしもあると思うわ。いっぱい、見て来たから」
「あなたの花園に行ってもいいの?ふふ、お邪魔させてもらおうかな」
「本当に、素敵なお花…これは薬草?すごい、詳しいのね」
「…いくつか分けていただいてもいいかな。ううん、わたしじゃなくて...」
その頃、民の中で…少しずつ、弱っていく子達が出てきていたから。
また、そのときが近づいてきたのだと、感じていた。
それを聞いたあなたはお代以上の…持てるだけいっぱいの薬草を渡してくれて。
つい笑ってしまったけれど、とっても助かったなあ。
あなたと過ごす日々が多くなるにつれて。
…ひとりになるのはいやだなあ、とまた思って。
ローゼン、あなたがいてくれてよかった、って思っていたのだけれど。
「す...好き、えっと...ローゼン、あのね…」
「気持ちは嬉しいけれど、わたしはあなたよりずっと年上だし、それはきっと...」
慕ってくれている、と思っていたけれど。
そんなにストレートに好きだ、と言われるのは予想外で。
それは憧れだとか、そういった感情の勘違いだろう、と思ったの。
諭してもまっすぐで、折れなくて、全力な…そんなローゼンは、たしかに、わたしにとって特別で。
傍から見たら、絆されたように見えたかもしれないね。
「……ふふ、ローゼンったら」
「いいの?わたしで…」
「わたしの傍に、ずっといてくれる?」
無邪気に笑う、ちいさなあなた。
そこには確かに、運命があったの。
「ああ、どうしましょう。...もう、誰かに渡せるなんて思っていなかったの」
「飾り紐だけでも、新調しましょうか」
「きっとあなたを守ってくれる星」
「…受け取ってくれる?」
ぼろぼろになった、すいせいのかけら。
ひとりぼっちの時間を共にした、その星を。
「…大好きよ、ローゼン」
古い星はついに運命に出会う。
そして、また多くの星の終わりを見る。
悲しみが覆っても、もう、ひとりではないから。
花の香りと、星ふたつ。
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2023-06-12 19:47:12 +0000