挿絵は此方の方に描いて頂きました→ user/4599056
掲載元→novel/19921392
ホワイトタイガーはホルスターにビーストオートをしまい、リーサを連行しようとする「さぁ、来てもらうよ。君は事実上でも肉体的にも未成年だ。きっと刑は軽い。」素直に応じるリーサ。
しかし、突然タイガーを睨む彼女は、砂の上に落ちたピストルを拾い上げタイガーに向け発砲するが、タイガーはすかさずリーサに銃口を向け発砲する。明らかにリーサの方が早かった。しかし、その場へバタリと倒れ込んだのはリーサの方だった。
「狙いをわざと外したな?!」
「見損なわないで。私の狙いは正確・・・・だよ・・・」
砂の上にドサリと倒れこむ音がタイガーの後ろでしたかと思うと、後ろからタイガーを狙っていいたファウストの戦闘員の生き残りが、リーサの銃弾で絶命していた。
「後ろになんか目が無いから、仕方ないよ…」と、咳き込み、口から血を流し、最早死ぬのは時間の問題となったリーサ。
「死ぬな!死なないでくれ・・・!」
辺りを見回すタイガー。
「良いンだ。これで…どうせ私は…こうでも…しないと、貴方に貸しを返せないよ…」
また血でむせ返りながらリーサはタイガーに語りかける。
「今はしゃべるな!残されたあんたの母さんは如何するンだ!」タイガーは言うものの、リーサは喋り続ける。
「覚えているよ。病室で、貴方が私の事を助けてくれたの…なんだか、急に思い出しちゃった。あの時、確かに意識が無かった筈なのに…」そして…
「そういえば、名前…あなたの名前・・・・聞いてなかったな…」そう言い残すと、リーサは息絶えた。タイガーは悔しがる。リーサは自らの放った銃弾に倒れたのだ。「リーサ… 名前なんて無いよ。ただホワイトタイガーという名があるだけだ。」
タイガーはリーサの遺体を抱きかかえていたが、そっと下ろし、リーサを撃ったピストル、ビーストオートを眺め、怒りに任せて地面に投げつけた。
2023-05-20 15:57:14 +0000