シビックは、本田技研工業が生産および販売している乗用車である。欧州ではCセグメントに、アメリカ合衆国ではコンパクトカーにそれぞれ区分されている。
1972年(昭和47年)に販売が開始されて以降、ホンダの世界戦略を担う基幹車であり、ホンダ製乗用車の中でも最も長く同一の車名で販売されている車である。大衆車の代名詞的存在であるが、価格と燃費、運動性能の両立を果たせるよう開発、設計し、トヨタ・カローラとの差別化を図った。2019年(平成31/令和元年)の車名別世界販売台数は5位。特に北米においては老若男女問わず幅広い層から高い人気を誇り、ライバルのトヨタ・カローラを販売台数で上回る。
3ドアおよび5ドアハッチバックと4ドアセダンを基本に、代によってはステーションワゴンやクーペが設定される等の幅広いボディ展開がされている。エンジンは初代から現在に至るまで直列4気筒を搭載しているが、排気量は1.2 Lから徐々に拡大され、現在は2.0 Lガソリンエンジンのほか、2.2 Lディーゼルエンジンやガソリン電気ハイブリッドなどが搭載されている。また、スポーツグレードの「Type R」はFFスポーツの雄として、レースシーンにおいてプロからアマチュアまで幅広く愛好されている。
駆動方式は初代より前輪駆動を基本としており、3代目から7代目までには四輪駆動も存在した。
初代から7代目までは小型乗用車の分類に属していたが、8代目から3ナンバーサイズの普通自動車にボディサイズが拡大された。よりコンパクトなフィットが従来のシビックの立ち位置を置き換える存在になったこともあり、日本国内向けのものは2010年(平成22年)12月中に生産を一旦終了。初代から8代目で38年の日本での歴史に一旦は幕を閉じることとなった。5年の空白の後2015年(平成27年)には「type R」が200台限定ながら国内販売され、2017年(平成29年)9月29日には10代目の4ドアセダンと5ドアハッチバック(「type R」を含む)が量産モデルとして国内復帰を果たしている。
生産は4ドアセダンモデルはカナダとアメリカインディアナ州及びトルコ工場、5ドアハッチバックモデルはイギリスの工場でそれぞれ生産されていたが、2021年(平成23年)の英国工場の閉鎖に伴い、11代目から5ドアモデルも北米工場で生産を行う。過去には三重県の鈴鹿製作所でも生産されており、4代目/5代目タイプRや10代目のハッチバックはいわゆる輸入車の立場ではあったが、同じ10代目でもセダンは日本国内での生産であり、11代目では日本仕様のハッチバックは日本国内での生産となる。
2代目から7代目モデルでは、ホンダが公式に定めたキャッチコピーに基づく通称が存在し、広告・宣伝でも使用されていた。
2023-05-15 03:50:30 +0000