耳柿

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ワクワク風土記マン
岐阜
奥美濃の伝説 耳柿

郡上市天然記念物指定
寒水白山神社、本光寺から南へ
原木現存!
不思議な柿の実
こんころりんかわいい耳柿

郡上藩領は、山間
豪雪、長い残雪、低水温、霜害、動物食害...不毛の地だった。
飢饉、餓死者も多く、農民は生き地獄そのものだったと文献にも残る。

宝暦の頃には、郡上一揆勃発
天文学、歴史編纂、目安箱設置に貢献した江戸勤務エリートの金森頼錦が藩主に就くも、経済政策は失敗に終わる。

困窮する村人の唯一の救いは、比丘尼寺の経とあたたかい粥の施し、法話だった。
現世で苦しみをうけたひとほど極楽浄土で幸せになれる―

尼僧は堂の隅っこにいる見知らぬ男に気づく。毎日来るが、粥も食べずに帰る。耳が不自由らしい。
寺から去る男の後を追ったが、柿の木の前で、すーっと消えた。
男は柿の木の精霊だった。
人の形を借り、御仏の導きを受けようと発心されたのだった。
尼僧は気の毒に思い、御仏に祈り続ける。するとその年の秋から、小さな耳が付いた柿が驚くほどたわわに生った。そして男は現れなくなったという...

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2023-05-12 10:58:58 +0000