大好きな映画「ブレード・ランナー」は、ご存じの通りフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」が原作。ディックの作品のテーマは一貫していて、それは聖書の「よきサマリア人」の物語なのです。
わたしたちにとって「隣人」とは何か、という問題なのですが、残虐な人間と優しいロボットだったら、わたしたちの隣人はロボットの方だろう、とディックは言う訳です。わたしたちにとって親密で優しい存在というのは、それがロボットだろうと宇宙人だろうと関係ないと。だとすると、人間性って何だろうという疑問がわいてきますね。ディックは、「人間性」が大事なのであって、ただ人間であるだけではダメだって言っているのです。
ロシアの戦争や、ChatGPTが出てきて、いよいよディックの提起した問題が現実のものになりそうな気がしますね。
2023-05-09 14:03:50 +0000