【叛虐機換】 思い出

弦龍劉弦(旧:幻龍総月)

◆◆◆

 レキンは核を打ち込むため、タイミングが来るのを待つ。

(全員が少し距離を離した所で、これを叩き込む。そのタイミングを待つ……)

 アサルトライフルで援護射撃しながら待っていた時だった。

「我が子よ」

 そこに現れたのは、レキンの母であるゲヴァルザインだ。

 レキンは即座に銃口を向ける。

「母さん……!」
「すまないが、核を使わせる訳にはいかない。ここで処分させてもらう」

 母の能力は『熔解』。その光線を浴びせれば、あらゆる物を熔解できる能力だ。

 それを知っているレキンは、阻止するためにノーフェイスのアサルトライフルを向けた。しかし、引き金が引けない。

「止めてくれ母さん! オレは、オレは……!!」
「………………」

 母は無言で光線のチャージし、狙いを定める。

 レキンは震える手でトリガーに手をかける。

 レキンの脳裏には、今まで育ててくれた記憶が流れていた。

 赤ん坊の頃から大事に育ててくれた、色んな事を教えてくれた、慣れない人間の食事を沢山作ってくれた。

 沢山の思い出が、レキンの中で渦巻いていた。

 それでも、人類のために戦うと決めた。

 だから、引かなければならない。

「う、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 トリガーに指をかけ、力を入れる。

 先に放たれたのは、母の熔解光線だった。

 熔解光線はノーフェイスの左腕を直撃し、核ごと跡形も無く熔解させた。

 一方でレキンは、撃てなかった。

 大事な母親を、撃てるはずが無かったのだ。

「う、ウウウウウウウウウウ……!!」

 唸る様に泣き崩れ、ノーフェイスの銃を下ろす。

 それを見た母は、背を向けてその場から立ち去る。

「これで切り札は無くなった。早く安全な場所へ帰るといい」

 それだけ言い残し、姿を消してしまった。

 取り残されたレキンは、泣くだけしかできなかった。

「オレは、オレはやはり、人類の側にはいられない……! 中途半端な、ダメな奴なんだ……!」

 ◆◆◆

『どうしてコックピットを狙わなかったの?』
「ALICEか。……コックピットは外す可能性があった。だから確実に狙える部位で、無力化できる箇所を絞っただけだ」
『本当は、殺したくなかったからでは?』
「……あの子は、偶然拾っただけの、優秀なゲヴァルザインにするためだけに育てた人間の子です。それだけです」

「そう、そうれだけでなくてはいけないのだ…………」

◆◆◆

 キャプション形式で失礼します。自前キャラばかりで申し訳ありません。

 レキンの母により、核は熔解、無力化されました。
 ちなみに『熔解』は10時間に一発で、チャージに時間が掛かり過ぎるため、これ以降前線には出てきません。安心してください。
 レキンは自分の不甲斐なさに泣いているので、𠮟咤激励してくれると嬉しいです。

お借りしました
 ALICE(名前だけ)【illust/104914731

自前
 レキン・ノーネーム【illust/99567473
 ノーフェイス改修型【illust/105071261

 何か問題があればご一報ください。

#叛虐機換リヴェルザイン#【叛虐機換】ストーリー#【叛虐機換】エクステラ奪還

2023-04-10 13:59:40 +0000