久しぶりの休みに、焔条秋成、兎庭此夏、春日居虎白と、酩酊娯楽の代表である牛尾弥春4人は、海水浴場へと足を運んでいる車内で会話に花を咲かせていた。
賑やかな道中での会話のお陰で、時間を感じさせず海へと着いた一同。
「では、皆、着替え終わったらまたここに集合しよう」
『はーい♪』
此夏と虎白は、元気よく返事を返し、更衣室へと走っていく。
「ったく…アイツらはしゃぎ過ぎだろ…」
彼女達の背中を見送りながら、秋成は言った。
「凄く楽しみにしてくれていたんだね。…計画を建てて、本当に良かった」
ヤレヤレと言う様子でため息を吐いた秋成へと、弥春は返事を返す。
そして、秋成の方へ向いた。
「焔条、車を運転させてしまって申し訳なかったね…疲れてないかい?」
弥春は、左目の視力を失っているという事で、車の運転はずっと秋成がしていたのだ。
決して近くない距離を、休憩無しで走らせてしまった事を、弥春は気にしてしまっているのだろう、
「どうってことねぇよ。ってか、社長さんよぉ、オレらも早く着替えようぜ?…アイツらより後に来たら、何言われるかわかんねぇしな」
彼なりの優しさを感じながら弥春はクスリと笑った。
「確かに、そうだね。よし、先に着替え終わって2人を待とうか」
そう言いながら、男二人は肩を並べて更衣室へと歩き出したのだった。
〜〜〜
「牛尾さん、秋成くん、お待たせしてしまいすいません!」
「弥春く〜ん、秋ぽん〜。どうよどうよ♪あーし達の水着姿!似合ってるかな〜?」
先に着替え終わった秋成と弥春の背後から此夏達の声が聞こえ、振り返る。
『!?!?!?』
そこには、水着姿の2人が立っていた。
「…焔条」
「…なんだ、社長」
返事を返す秋成だったが、彼が言いたいことはわかっていた。
「海って…いい所だね…」
「……ああ、…最高だな」
秋成は此夏を。
弥春は虎白を。
視線を外さず見つめてしまう。
「えっと…お2人とも…?どうかしましたか?」
「見てるだけじゃなくって、感想欲しいんだけど〜?」
怪訝な顔をする此夏と、少し怒った顔をしている虎白。
「に、似合ってます!!虎白さん!!」
「〜。…あ、あはは〜、弥春くんっていつもストレートに褒めてくれるから、は、恥ずかしいなぁ〜」
顔を赤くしながら頬をかく仕草をする虎白。
そして、弥春の手を握り彼を引っ張りながら海へと走っていってしまった。
「あ、あの…秋成くん?」
「ん、んん?なんだ、此夏?」
此夏は両手をモジモジと擦り合わせながら秋成を上目遣いで見る。
「わ、私、変じゃないですか…?」
「…似合ってるよ、此夏。なんつーか…運転の疲れが吹っ飛ぶくらいめちゃくちゃ可愛い」
「え、えへへ〜…ありがとうございます♡」
満面の笑みを浮かべながら、此夏もまた、秋成の手を握った。
「私達も行きましょう♪今日は沢山楽しみたいです!!」
「そうだな!!よっしゃ、はしゃぐぜ!!此夏っ!!」
「はい♪秋成くん♡」
先に海へ入り、はしゃぐ虎白達へと合流する為に浜辺を走る秋成達であった…。
2023-04-07 15:04:18 +0000