英雄・アインハルトの帰還。ガイストではあるもののその一報に各戦闘宙域に驚きと歓喜が広がる。彼の妹であるアルシュリーゼも衝撃を受けたその一人だ。
ソアレ「へえ、まさか英雄様が帰ってくるとはね。リーゼ、会いに行くか?」
アルシュリーゼ「いえ、今の私のやるべきことはフォルトゥーナの防衛。自分の仕事を放棄してお兄様に会いに行っては叱られに行くようなもの。今は全力で、トばしていきますわよ! 今度は私のお気に入りの、この歌で!」
歌姫三人の力強い歌声は広く拡散し、戦士たちを鼓舞する。
イフリス「む、あの歌は・・・?」
収音マイクが拾う懐かしい歌。かつてイフリスが相棒と共に、相棒の大事な幼馴染が再起できるよう目指した大会で聞いた歌だった。その歌は二人の少女が再起誓い、後にそれぞれの大事な父と弟と再びつながった時に使われたものであり、アルシュリーゼの人の心を震わすその歌い方、想いの強さにイフリスはある人物を思い出した。
イ「アルシュリーゼ・・・そうか、彼女はあのアルシュリーゼ殿か。ずいぶん大きく、強い女性に成長したものだ」
イフリスはつい先ほどまでかつての友を愚弄するような存在であるメタル・バトラーに対し強い怒りを覚えていたのだが、歌姫の歌声を聞いたことで冷静さを取り戻した。そのおかげで、メタル・バトラーと戦うリヴェア・ケーファたちに攻撃を仕掛けようとする複数のアズラルレーザ・ワイバールの姿を見かけた。
イ「む、まずい。リオス!」
リオス「僕も確認した! ビームシールド展開!」
アズラルレーザが放つレーザーブレスをウルファンガーはビームシールドで受け止める。小型ながらデカセクト級の火力の集中砲火に押され始めるが、攻撃がウルファンガーに集中している隙をついてイフリスが接近して攻撃することで中断させた。そして、ウルファンガーとイフリスの連携攻撃でアズラルレーザを撃破したのであった。
いよいよフォルトゥーナがエクステラへと帰還がした時、リオスは親友のルゥサの乗るドリルフライトユニットが墜落したとの報告を受けイフリスたちと共に工廠エリアに向かうのであった。
イ「ライボル殿、勝利を信じているぞ」
ア「・・・(やれることはやってきた。ジュン、貴方が再び立ち上がるのを信じているわよ)」
アルシュリーゼはただ歌う。人類の未来を切り開くために再起した兄とまた語り合えるように、真実を知り絶望の淵に沈んでしまった大切な幼馴染が再び立ち上がれるように、祈りと想いを込めて歌うのだ。
―――――
エクステラに突入したエヴァンジェリンは数名の護衛を引き連れ父と母がいる場所へと向かっていた。
ヨウコウ「ダミアンやALICEのいるエクステラの中枢は現在閉ざされているようです。シェルターポリスにわずかに残っていたエクステラの古いデータと先行して突入した方々が集めた情報から判断すると、行政府エリアでエクステラ内部にアクセスするのが良いでしょう」
サクラヒメを操縦しながらヨウコウは集められた情報を整理、分かりやすく解説する。エヴァンジェリンは自分たちの行く道を仲間たちに伝えるが、その表情には若干陰りがあった。意を決し、聖女は通信回線を操作して真雪とヨウコウにのみ胸の内を明かした。
エヴァンジェリン「・・・本音を言えばね、お父さんやお母さん、お姉ちゃんとも戦いたくないの。お父さんたちを戦いから解放して、お父さんとお母さん、お姉ちゃんに私。私の家族だけじゃなくてユキちゃんやヨウコウちゃん、ヒザクラちゃん、ポコ丸ちゃんたち皆と穏やかに生きていければって思うの」
二人はただ静かにエヴァンジェリンの話を聞き続ける。
エ「でもね、お母さんたちは人類のためではあったけど多くの人たちの命を奪った。生き残っている人たちはお母さんたちに強い怒りを覚えている。そして、お母さんとお父さんは全てを受け入れた上で戦う覚悟も討たれる覚悟もできている。だったら、私も逃げちゃいけないんだ。私の胸の中に色々な思いを全部まとめて、お母さんとお父さん、お姉ちゃんと向き合わなきゃ。ユキちゃんとヨウコウちゃんは、私が逃げないように見ていてほしいの」
真雪「分かりました。貴女が前に進むために支えます」
ヨ「私もです・・・ふむ、行政府エリアにたどり着いたようですね」
通路を抜けると、かつて政治の中枢だった行政府エリアが見えた。とても広く、大小様々な政治にまつわる建物が連なる中、遠くに金色の女神像のような巨大な姿があった。
レイト「お、姫様たちもたどり着いたか。向こうに見えるギガセクト級アグレッサー、あれを何とかしてエクステラ内部にアクセスすれば中枢にたどり着けるんじゃないか思うんだが・・・あいつ、ネメシスと似た雰囲気を感じるから一筋縄ではいかないだろうな」
先行して内部に突入していたレイトがエヴァンジェリン達にそう説明した。改めてエヴァンジェリンがディオサ・エクステラを見やると何故かそこにセレンティアがいることを確信した。
エ「(ついにここまで来たよ、お姉ちゃん。今行くから、もう少しだけ待っていてね)」
後半戦に突入したのでその話となります。
エヴァさんの告白についてはこちらの想像であり、また話の都合で真雪さんととヨウコウ以外エヴァさんの護衛としていそうなキャラがその場にいなくて告白を聞いていないことに関してはご了承ください。
上記の話の通り、後半戦はリオスたちは工廠エリアに、ヨウコウは行政府エリアに向かいます。エヴァさんが行政府エリアに到達することは堕魅闇さんにも許可をもらっています。
2ページ目はヴィタがリオスからプレゼントされたザイン結晶体の首飾りを身に着けた姿となっています。大体緑のハート型とだけ覚えていただければ大丈夫です。
お借りしました
アズラルレーザ・ワイバール(illust/100831634)
ディオサ・エクステラ(illust/106346365)
レイアゼル(illust/105256874)
ソアレさん(illust/99405476)
アルシュリーゼさん(illust/99372122)
エヴァさん(illust/99246201)
真雪さん(illust/99485912)
レイトさん(illust/99378637)
自分の(id省略)
ウルファンガー(id=105564656)
イフリス(id=106325130)
サクラヒメ(id=99725437)
リオス(id=105124724)
ヨウコウ(id=101861637)
ヴィタ(id=101279332)
何か問題がありましたらご報告ください。
2023-04-04 15:50:53 +0000