ジュンくんとの激闘illust/106597047
の末、氷河の底に沈んだアインハルト。
狼閣さんillust/100138000
に拾われて現地改修を受けることに。
人類軍のエースたち
ミオカさんillust/101087758
シャイニングくんillust/99529734
アルマちゃんillust/100614283
アルバートさんillust/100239123
シスター・メリオillust/99303257
が入り乱れる戦場に、
エクステラの呪縛から解き放たれた英雄が舞い戻る・・・!
各キャラクターの行動を束縛する意図はございません。
不都合等ございましたら、パラレル、スルーとして
扱っていただければ幸いです。
※
「シヴィル・ロウの正規パーツをぎょうさん回収できると
睨んで後ろをついていったはええものの・・・」
商売道具である大型トレーラーから伸びるクレーンが
砕けた氷床の下から吊り上げたのは、戦闘の損傷も生々しい
漆黒のゲヴァルザイン。
胡散臭いパーツの扱いには慣れた狼閣といえど、
流石にどう扱ったものか、始末に困る拾い物だ。
「ドーンブレイカー一式、丸ごと回収できるとは。
こら話がウマすぎて逆に不安になるわ」
解放されたコックピットに横たわるガイストが
不意に再起動する。
生前の姿を忠実に再現したアインハルトの義体が
一瞬のうちにシートに備えた拳銃を突きつける。
「・・・なぜ助けた。私が何者か、知らぬ訳ではあるまい」
「オマケに中身も健在ときた」
やれやれ、とでも言いたげに投げやりなホールドアップで応じる
狼閣の態度には、生命の危機にさらされているという緊張は
まるで感じられない。
「化け猫のヒナタ。黒の魔法少女ダークメラン」
アインハルトに背を向け、コンソールに向かう。
「ガイストが人間の側に寝返ったなんて話、今更珍しいもない」
展開したホロウィンドウには、ドーンブレイカーの破損状況が
表示されている。
・背部スレイヴ全損。
・右腕レールガン大破。
・レーザーランス喪失。
・ライフルガン破損。
「ざっとこんなもんか。バックパックと右腕は
新品に変えてしもた方が早いな。銃は・・・
この可変武装が使えるとして、もう一丁は・・・」
「私はガイストだぞ!?何を根拠に信じられる!?」
威嚇する様に声を荒げるアインハルトだが、
その引き金が引かれることはない。
「あん?もしアンタが殺る気やったらワイは助からん。
やけん、そうでなかった場合のことを考えとるだけや。
・・・行くんやろ?今なら出血大サービスや。
とっておきの掘り出しもんでこのポンコツをフルカスタムしたる」
にぃ、と口の端を吊り上げる狼閣の横顔には冷や汗が滲んでいる。
「・・・私の負けだ。この店で最上の品を用意してもらおうか」
「おう、毎度あり!ほな、ウチの品揃えを見てもらおか」
モニターにずらりと並ぶのは、いずれも出自の怪しい
非正規パーツばかり。
「如何わしい品ばかり、よくもここまで集めたものだ」
「ふん。性能は保証するで?もっとも、
ブランバルト家の御曹司が使うにゃ
ちょいと行儀の悪いブツが揃っとるがな」
値踏みするような流し目に、アインハルトが反駁する。
「安く見られたものだ。テストパイロット上がりを
侮ってもらっては困る」
まんまと乗せられたアインハルトに、身を乗り出した
狼閣がセールストークを捲し立てる。
「それでこそ、叛虐戦線最初の英雄サマや。
この、ナイサルトm0なんてどないや?
スナイプとアサルトのスイッチウェポン。
無くしたスナイパーキャノンの代わりにはうってつけやろ」
「ほう・・・悪くない。
あとは、エクステラまで単独航行できる推進力が欲しい」
「無茶ぬかしよる。そんな都合のええもんが・・・
あるんやなぁ、これが〜〜〜!!」
・・・
「流石にちょっと・・・やりすぎたかな」
組み上がった機体を見上げ、さすがの狼閣も頬を引き攣らせる。
「いや、面白い。私と愛機の最後を飾るにふさわしい姿だ。
乗りこなして見せるさ」
重装備を施された蘇った相棒に颯爽と飛び乗るアインハルトに、
狼閣が思い出したように声をかける。
「最後に一個だけ、ええか」
この男は、理解している。
この戦いの先に、己の未来などないことを。
・・・その覚悟を宿した双眸を見据え、狼閣は徐に告げる。
「請求書はブランバルト家にツケといてかまへんな?」
・・・
サンメンキを相手取り奮闘するミオカ。
イノの砲台破壊を支援するアルマ。
プレイヤーに単身挑むアルバート。
マリーの周囲で露払いを務めるシャイニング。
突入ポイントに先行し、撹乱するシスター・メリオ。
三大勢力を代表するエース達が
フォルトゥーナの血路を開くべく奮戦するが、
激しい抵抗を前に決定打が与えられずにいた。
「・・・ようやく見つけました。随分、探したのですよ」
シスター・メリオの未来予知が、反撃の狼煙を捉える。
「宙で見る月は・・・美しいものだな、ミオカ」
忘れがたい、懐かしいその声に顔を上げた
ミオカの頭上、月光を背に閃く翡翠の流星があった。
「おや。今になって、どういうおつもりですか・・・
本気にしてしまいますよ?」
鋭角の軌跡を刻んで、ソーサーが散布する誘導弾を
掻い潜った彗星が、左腕のワイヤークローに標的を捉える。
「あの機動は・・・!」
シャイニングは知っている。
幾度となく記録映像でその目に焼き付けた、
憧れのヒーローの、必殺のコンバットマニューバ。
不規則な軌道で退避するアグレッサーを完璧に捉えて、
右腕のブラストルトンファーが牙を剥く。
叩き込まれた鉄杭の一撃で絶命したソーサーを盾に、
流星は真っ直ぐにエクステラへと降り注ぐ。
プレイヤーが放つ対空砲火がソーサーを蜂の巣にするが、
貫通するには至らない。
炎に包まれた遺骸を、激突の瞬間に蹴り飛ばし、
ギガセクト級の巨体に叩きつける。
「先輩・・・アインハルト先輩!?」
まだアルマが未熟だった頃。幾度も窮地を救ってくれた、
懐かしいあの気配をはっきりと感じる。
ブースターキャノン、ナイサルトm0アサルトモード、
そしてデュランダルのフルチャージショット。
持てる火力を総動員したフルバーストで、
巨体に食い込んだソーサーを爆破する。
「いつか、共に戦える時が来ればと思っていた。
・・・まさか、今更になって叶うとはな」
アルバートの言葉に、爆煙から姿を見せた
白亜のゲヴァルザインが力強く頷く。
「いつぞやは、世話になったな、アルバート。
遅くなったが・・・あの時の恩義。報いる時が来た」
ドーンブレイカー、改め。
「ドーンブリンガーRR、
アインハルト・F・グラヴゼニッツ。
これより、エクステラを奪還する!!」
2023-03-28 17:00:03 +0000