【ミル祝】オブリコルド【第四期】

90
Preview Images1/42/43/44/4

◆ミルフォリアの祝福【illust/100314341

○●○●○稀博オブリコルド
とある時代のある日を境に時が止まっていた城館。
城館の大時計が正確な時を刻み始めるにはまだ遠いが確実に進んでおり、地下で眠っていた小国の民たちが少しずつ起き出して来た。
城館の存在は変わらず稀薄であり、博物館としてはもう殆ど機能していない。
未だ彼らの姫が起きないため小国の名は名乗らないまま、民たちは穏やかにオブリコルドに寄り添っている。


「…博物館の客がまだ来るとは。来い、案内する」
「別に怒っていないが。その程度、何とも思わん」

●守衛:ムートラン [ 青の祝福 / 100pt ]
年齢:28歳 身長:180cm 性別:男性
一人称:オレ 二人称:お前、あんた

○前期:[管理人]テオレーム【illust/104754744
「年の割に、嵐のような男だった。成した事が事だけに面倒見させられた文句も言えなかったがな。勝手なヤツだよ」
●前期開花相手:竜洞 / まゆみさん【illust/104489888
「あんたのおかげで、自警団も様になってきた。感謝する。オレの方には稽古が厳しいという泣き言ばかり届くが、そのままやってくれ」
○前期開花相手今期:竜洞 / かからさん【illust/106034308
「なんだ、家出なら何時でも手伝ってやるのに。少しばかり良い子ちゃん過ぎて、ぶっ倒れないか心配だ。…あ? 心配くらいするさ」

○友好国
永久の楽園・アルビオン【illust/105802891
引き続き【アルビオン】の試作品や、自壊までを過ごす場所として受け入れ、外からの呪いや災いからの守護を担ってもらっている。民たちは彼らを見守り、とても大切にしている。

○●○●○
3/26 *素敵なご縁を頂きました*
ユリシスさん【illust/106213576
その姿を見かける度に。触れて抱きしめたいような、今すぐ逃げ出したいような──矛盾する異様な心のざわめきが生まれる。
これは見知らぬ妖精による術だろうか。いずれにせよ、いつまでも見知らぬふりはできない。
「困っていそうだな。…ムート、だ。何度かあんたを見かけていたが、探し物でもしているのかと気になってな。──いいや、叶えもらいたい願いがあるわけではない」

「では聞くが、お前は叶えてもらいたい願いを持ったことは? なに、妖精のために働くのも悪くない。ちょうど、世界を巡る暇があってな」
「これが東の怪物の宝石。この伝説の妙薬は苦労させられた。こっちの希少種の毛皮は運良く状態も良いぞ。黄金の枝はこれでいいか? それで次は?」
「お前が皮肉な物言いをしているのは分かるが。別に構わない。今更素直になられた方が困る」
「…迷子の人形か。分かった。確か魔力を探知できる道具があったはずだ。此処で待っていろ。…それとも一緒に来るか? 待っているのも退屈だろう」

「さあ、あんたがまともに取り合ってくれそうになかったからな。適当に名乗った。ムートラン、だ。オレとあんたは知り合いか? 死人にでも会った顔をしてる。…いや、実際知り合いでもおかしくないんだな。オブリコルドの職員は皆肉体の時が止まっていて、弊害として記憶喪失が──…どうやら近そうだぞ。急だが、此処を下る。手を。…どうした?」
「無事に見つかって良かった。綺麗な子だ。……考えたんだが。お前、このままオレを護衛に雇わないか? 」
言った瞬間、胸元のビオラが静かに還っていった。確か、互いの認識がある程度必要だったはず。実際の彼の口からは全力の否定がぶつけられたが、どうやら必要とされているらしい。
素直ではないな、と何となく満足感を得た。
その後も尽きない文句に相槌を打ちつつ、目覚めた小国を見てみたい、と我儘を溢した。
すると、彼は苦言を呈することはせず。早く、と急かす。
本当に、素直じゃないが、心根はどこまでも妖精的な献身を感じる。
「ありがとう、リグレット」


──────────────────
○●○●○

かの妖精を利用しようなんざ、あり得ない。論外だ。例え脅されようと。降り掛かる火の粉ごと叩き斬ってくれる。
「おう、来たな。こっちだ。戦前の息抜きでもどうだ? 」
そして、いつものように声をかけた。文句を言いながらもこちらへ寄ってくる妖精の姿を予想して──果たして、彼は激昂した。
「何を言って──、っ…! いや、オレから言うことは…無い」
そうか、吹き込まれたのがオレだけとは限らない。彼は、妖精だ。人間の言葉の真偽には聡いが、善悪の区別に弱い。そしてオレは確かに、彼に隠し事をしていた。言えるはずがない。
お前の力を利用するために近しい俺が脅され、最早味方すら信じられない。そんな醜い人間同士の裏を、見せたくは無かった。
妖精に対して嘘を吐く人間を信じろというのは、酷だ。だから受けよう、お前からの罰を。
お前が守られないなら。これでいい。
人間なんぞ嫌って、そのまま遠くへ行ってしまえ。

…守れなくて、悪かった。

○●○●○

──────────────────
[偵察任務報告書]

妖精の力に目をつけた第三勢力に動き有。
味方を装い傭兵に交渉するも失敗の様子。
同時刻、第三勢力は妖精にも接触。
妖精に動き有。傭兵に接触。
結果、妖精は行方をくらまし。
傭兵は自失。後、行方不明。

以上、大国における重要な戦力の損失を確認。

──────────────────

「──…ユリシス?」
膨大な記憶の波と共に。一筋の雫が頬を伝う。
目の前に居るのは、誰よりも大切な妖精だった。
同時に、動揺が襲う。オレは彼に触れてもいいのか。
記憶を整理しながら、ゆっくりと息を吐く。
「…ただいま、か? お前は何も悪くない。ただ人間の欲に巻き込まれただけだ。オレこそ、悪かった。素直に話すべきだった」

「お前の無理難題を聞くのは中々楽しかった。たぶん、願いを叶える側であるお前の我儘が嬉しいんだな。何でも叶えてやりたくなる。…なぜ叩く? オレはまた何か余計なことを言ったか?」

#【ミル祝】#【ミル祝】第四期#【ミル祝】男性#【ミル祝】王#【ミル祝】青の祝福#【ミル祝】オブリコルド#【ミル祝】成立

2023-03-21 08:17:18 +0000