大雪山へ
尾骶骨が粉砕しようとも、ここだけは登りたかった…!そのために阿寒湖アイヌコタンを諦めて、丸一日を温泉に浸かる日としました。
私が最も想い入れのある場所が、大雪山です。
それまで原作を読んだことがなく、初めてアニメで見たのが大雪山を越える場面でした。
まだ、尾形の存在が私にとって、2月半ばの花粉くらいの頃でした。最も心を掴まれたのは杉元が泣くシーンで、この作品は絶対に最後まで見ようと心に決めました。
この後の「あんこう鍋」で地軸が一気に狂ってしまいましたが、最初は杉元佐一とアシリパさんのコンビが世界を変えると思っていました。いや、変えましたね。変えたと思います。
今回は日帰りなので、広い大雪山の端っこをペロッと舐めただけですが、次は2泊3日くらいで「カムイミンタラ」へ近づけたらと思います。
大雪山は一帯が国定公園になっており、大部分が保護されています。アシリパが命をかけて守ったカムイたちの庭です。泣く。
それにしても、尻が痛いだけでこんなにツラいのに、銃弾を2発も受けて、しかも雪のある季節によく何日もかけて登ったり降りたり…さすが杉元は不死身だな…と感心しました。
キムンカムイに出会ったのは本当です。たぶん、幻覚ではないと思います。北海岳を降り始めたあたり、標高二千メートル付近を単独で何時間も歩き続け、だいぶハイになっていましたが、出会った瞬間、スウ〜ッとなりました。
自分の姿を透明にしようとするとき、人は自我を超えます。あの時の永遠かと思えるほどの2秒間を、私は忘れません。
キムンカムイはこちらをチラッと見やると、呆れたような顔をして「なんだ、ただのねこ煮か」と呟き、山を駆け降りて行きました。ただのねこ煮で良かったなぁ…と、心から思いました。
尾骶骨の痛みすら忘れていました。そもそもカムイたちの世界にお邪魔しているのは、こちらなのです。とにかく、熊鈴を持って山に入ることをオススメします。
あと、体力は万全の状態で山に挑んでください。いざという時は、わりと簡単に訪れます。
私の場合は、天候に恵まれたことが何よりでした。
今の私があるのは、カムイとお母さんと尾形のおかげだと思っています。
ありがとうございました。
また、来ます。
ねこ煮
2023-02-20 13:30:44 +0000