■ こちらの投稿【illust/103507693】にて、お仕事の依頼をいただいたので、熟考(?)するの巻です。
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剪定枝をワスレナペーパーへと加工する工程に、おぬめりさんの力でも携われる装置の開発。
それが、ワラビ・ワスレナ教授からの依頼だ。
単純に、繊維をやわらかくするだけであれば、薬品を使う方法も開発されている。
スズメバチ系の魔物を使役して、繊維を噛み砕かせることもできるだろう。
けれど、伝統的な製法の変化を、ワスレナの民たちは望まないかもしれない。
となれば、やはり当初の依頼通り、水車や、滑車を利用した装置だろうか。
長期運用を考えると、メンテナンスや修理を現地でできるよう、現地の資材で作ることが望ましい。
ワスレナ島にはどんな資材があっただろう。
いや、そもそも、ワスレナペーパー以外にも、剪定枝の活用方法があれば――?
ぐるりと回り始めた空論をスッパリと畳んで、インケルタは図書館へ足を向けた。
ワスレナ島を訪れたことはあるものの、改めて考えれば、知らないことだらけだ。
こういう時は、とりあえず本の森に頼るのが、学生時代からの習慣である。
製紙技術の専門書に、ワスレナ自然保護区に関する新しめの書籍。ついでに、おぬめりさんの絵本。
背に幼い娘を乗せ、両手に本の山を抱えて、読書スペースを目指す。
「ワスレナ島?」
無意識に零されたような小さな声に振り返ると、薄紅色の髪の少年と目が合った。
少年の手には、インケルタと同じく、件の自然保護区に関する本の山。
「もしかして、ワスレナ島について詳しいのかな?」
「くわし、くは、まだないかもしれない……が、最新のデータがあるぞ!」
――おっと、これは渡りに舟かもしれないぞ。
キラリと眼鏡を光らせる少年の姿をまぶしく思いながら、インケルタはデータを請うことにしたのだった。
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【お借りしました】
クチアマくん(illust/101987144)
・図書館でワスレナ島について調べ直すなら、絶対お会いしたいと思っていました!
・ワスレナ島を訪れるクチアマくんのお話、大好きです。
ハームド(illust/102484803)
・かわいくて賢いハムチャン。今日は白猫がいないのでセーフです。
ワスレナ自然保護区とワスレナめりさん(illust/102230641)
・おぬっ めりっ すいっち!(想像図)
ワラビ・ワスレナ教授(illust/102282281)
・お名前と似顔絵だけ。
プラチナ・キャッツ(illust/103605924)
・開いた本の上に乗ってしまうのは無意識。おみやげで機嫌を直します。
■ インケルタ(illust/102141061)/依頼を受ける旨の連絡は早めにしました。
■ パーケ(illust/102599006)/図書館では静かにできます。
■【pixivファンタジア Scepter of Zeraldia:illust/101965643】
2023-01-06 15:19:25 +0000