あの雪辱を果たすため、ウサギたちはカメ陣営に再戦を挑むも睡魔に敵わず連戦連敗。ウサギたちは夜更かししない、ほっぺをつねるなどの対抗手段をとり、ついに第23回大会にして、ショートスリーパーのウサギが初勝利を成し遂げた。
ウサギ時代の到来と思いきや、カメ陣営はすぐさま強化選手スッポンを投入、ウサギたちの天下は終わりを告げた。これに不服なウサギたちは
「スッポン科のスッポンをカメ陣営に入れるのはなんか違う」と猛烈な抗議を行う。
「確かにスッポンはスッポン科である。しかし、スッポンがカメ目である事実に変わりなく、カメの選手とするのに不都合がない」とカメ陣営が釈明。
ウサギたちは駅伝式へと強引なルールチェンジを敢行、甲羅着脱で時間を稼ぐも睡魔には敵わず敗北。 これでも負けるのかとウサギたちは落胆するが、第35回大会で状況が一変する。スッポン噛みつき事件である。スッポンがウサギに噛みつき、ゴール間際まで離さず、同着一位となった。ウサギ陣営からスッポンに非難が殺到。カメ目代表の年の功でもさすがに擁護しきれず、スッポン科は6年間の出場禁止処分を受けた。
これでウサギの常勝伝説の到来とおもいきや、ウサギとカメの勝率は拮抗していた。もともとサボり癖のあったウサギが、スッポンの登場によりすっかりふてくされてしまい、まともな練習をしていなかったためである。
両陣営の強制昼寝区間の設定、甲羅の着脱補助選手の策定など、幾たびかのレギュレーションチェンジを経て第99回大会、ウサギたちが切り札を出す。負けの連鎖をうちやぶるコーヒーブレイクである。ウサギ陣営の優勝は明らかだ。ドーピングにあたるのではないか、両陣営からポツポツと洩れ始める。長い耳を塞ぐくらいなら、ウサギの耳にも念仏、どこ吹く風で走れば良いのだ。
2023-01-03 17:38:27 +0000