前に投稿したのと同じような構図になってしまったが許せ!
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昔、具体的に何があったかは聞いていないし、多分両親どころか祖父母も知らないだろう。
ただ、世界が冬に染まる前、私の民族はとても弱くて、酷い弾圧にあっていたらしい。
奴隷として売り飛ばされてどこかの農園で死ぬまでこき使われるとか、そんな感じだったとかどうとか、曖昧な言い伝えしかない。
農園が潰れただとか荒くれ者がみんな魔女の部下になって近くからいなくなっただとかで、とにかく間接的とはいえ世界が冬になって私の民族は救われたのだ。
今の私には関係ないけど、私の家族や親戚、仲間はみんな白の魔女を女王陛下と呼んで感謝してるし、私もそうあるように育てられた。
私には闘いに天賦の才があったようで召し抱えられて、女王陛下の直属の部下になれた。
本当は誰かを傷つけるのも闘うのも好きじゃないけど、それが私の使命だから。
「サリー、大丈夫?」
「リーザさん……はは、あの方の癇癪にも、困ったものだよね」
サリー。私と同じ、女王陛下の側近。
彼女は他のみんなと同じで残酷だけど、でもどこか他の人と違う感じがする。
だからだろうか、どこか冷めた性格の私なのに、彼女とは自然と友人のような関係になれた。
そのサリーが、突然魔女から仕置きと称して痛めつけられた。特に何か落ち度があったわけでもないのに、だ。
魔女は残酷だけど無意味に部下を痛めつけはしない。やはりサリーには、彼女も知らない何かがあるのだ。
「とにかく、手当するね……ごめん、庇えなくて」
「気にしないでいいよ。私も逆だったら別に庇ったりしないだろうし」
濁ったままの瞳で無表情に言うサリー。ハッキリ言って不気味だが、なぜか私はこの奇妙な友人のことを嫌いになれなかった。
2023-01-03 14:32:13 +0000