遅くなってしまい申し訳ありません……!
非公式イベント「常葉蔦への依頼」【illust/102822826】へ参加させていただきます(事前に遅刻のご連絡をさせていただいております)
◆お借りしました
ヴィヴィアスさん【illust/102326650】
ヒエロサボテン【illust/102483988】
◆自前
ショウ【illust/102411320】
ルナオパール・アイスサイズ【illust/103918198】
以下は余談。依頼品が欲しい本当の理由とか。
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今から随分と昔。アラディア院に所属していた一人の教授がいた。
好奇心旺盛で、物作りが大好きで、いくつになっても子供のような男だったという。
彼は、『概念を抽出し、他の物質を付与する魔法』を操るエンチャンターであり、生来の手先の器用さもあり、魔法道具の大家となった。
もっともっと、便利なものを作って、人に使ってもらいたい!
そう考えた彼は、ひとつの物質に目をつけた。
常緑樹の永遠性。石の不死性。木のしなやかさと石の堅牢さ。
――これらの概念を自らに付与すれば、ずっと活動できるのでは?
玉樟という木は、ウッドオパールに似た鉱石を抱く常緑樹であり、おまけに魔力の伝導性に優れている。
丁度いい、と思った彼は、その概念を抽出し、自らの身体に付与することにした。
……結果は、「成功」だった。
長い時間を得た彼は、次々と魔道具を制作し、他の魔術師たちの研究を便利なものとしていった。
しかし。
ある時、自らの付与した概念の、致命的な欠点に気づく。
木の長寿も。石の不死も。
それらが「動かない」ものであるからこそ。
気づいた時には、彼の左目は物事の骨格しか見えなくなっていた。
少しずつ、少しずつ。
身体が鉱石に侵蝕されていく。
その歩みはゆっくりとしたもので。
充分すぎるほどの時間を彼に与えたけれど。
彼は悟った。いつか、己の身体は鉱石と化し、木の一部になってしまうのだと。
「魔術師の使う魔道具はたくさん作った。
もっと魔道具を広めるなら、次は魔力のない人々にパイを広げなければ」
そういった言葉は嘘ではなかった。
けれど、同時に。
自分の身体にかけてしまった「不死」の概念を分離する方法を。
もっと広い世間と関わることで糸口が見つからないかと、求めてもいた。
時間の猶予はまだまだある。
いつかの未来に、人間として死ぬために。
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不死の概念を移植したらついでに要らない特性まで引き取ってしまって困ってるおじさん。
かなり時間の猶予はあるので本人的に全然焦ってはいないんですが、じわじわ動かなくなって意識だけ残ったらヤダなー、などと動けるうちにできることはしておこうと考えている感じです。
ヴィヴィアスさんの不死の研究やそれにまつわる治療や研究が必要な身には手を貸す、という設定、道具屋さんという共通点を拝見した時から絡みたい、と思っていたのですが、こんな時期まで遅くなってしまいました……。
アラディア院同窓会タグをつけていらっしゃったので、アラディア院の方でお会いしたことはある、というイメージです。
18年前に初対面だった時は恐らく今と何も容姿は変わっていません(侵蝕は木の成長レベルでゆっくり)
誰に訊いても大分昔に院での研究を辞めたものの、ずっと出入りしている怪しいおじさん。
ヴィヴィアスさんの方が詳しい事情を察しているかどうかはお任せします。
ちなみに、左目の視界はX線表示のワイヤーフレームっぽい感じになっています。
テクスチャが半透明のとても細かいポリゴンのような感じ。
2022-12-28 15:48:05 +0000