王都の攻防戦の最中、ルカーシュはエイス王子との思い出を思い出していた。
ルカーシュがボースを救出してしばらく過ぎた頃だった。
ルカーシュはボースの父親代わりとなってボースを育てたいという決意を抱いていた。
そんな中、王都でふと訪ねた酒場でエイス王子と出会った。
エイス「君は?」
ルカーシュ「はっ!ゼラルディアの僕、元ザリア騎士、ルカーシュであります」
エイス「その子は?」
ルカーシュ「こら、ご挨拶しろ」
エイス「ふふふ、怖がらなくて良い、君、名前は?」
ボース「ボース……」
エイス「随分可愛いがってるようだな、君の子か?」
ルカーシュ「いえ、私が奴隷市場から救出して面倒をみているんです、今、私はオルギット団に居るのですが、この子の為に安定した仕事に付きませんと」
エイス「そうか……それならザリア軍に戻ったほうがいいんじゃないか?なんなら俺からリーブラに推薦状書いてやろうか」
ルカーシュ「‼︎⁉︎」
ルカーシュ「し、しかし、お言葉を返すようですが、いくら殿下の好意とは言え殿下に取って変わろうとする軍団長に手を貸すわけにはいきません」
エイス「あはは、そうか、ありがとう」
エイスは威厳を示すと
エイス「ザリア騎士ルカーシュに命じる!」
ルカーシュ「はっ!」
エイス「この子、ボースを幸せにせよ!」
エイスはニッコリ笑って
エイス「なんてな、冗談さ、この子を幸せにしてやれよ?」
そう言ってエイスは立ち去った
ルカーシュ「ありがとうございます」
……
………
…………
そういえばあの酒場だったな……
ルカーシュはボースに微笑んでつぶやいた。
ルカーシュ「ふふ、殿下に逆らっても幸せにするさ」
ボース「ルカーシュ?」
ルカーシュ「なんでもない、なんでもないよ」
2022-12-25 14:12:09 +0000