欺瞞の悪魔・イザンに単身で立ち向かっていたマシュー【illust/102644229】。
しかし、相手の強さは圧倒的だった。
「くっ…なんて強さなんだ…!」
「君はよく頑張ったね。だけど、これで幕を引くとしようか。」
イザンは禍々しい闇をマシューに放つ。
しかし、その闇はバリアによって阻まれた。
「何…だって…?」
呆然としているイザンを植物が縛り、
魔力の兵士達がイザンに攻撃を行う。
そして無から現れた複数の砲台がイザンを吹き飛ばす。
イザンが圧倒されている隙にマシューは癒され、
駄目押しとばかりにイザンはカードに切り裂かれた。
「いやー、間に合ってよかったぜ!」
「今まで独りで辛かっただろう?もう大丈夫さ。」
「みんな…!」
マシューが背後を振り返ると、
サイモン、ヨシュア、エルディ、オピフェクス、ファウスト、ハウレス。
彼の幼馴染達【illust/102727567】がそこにいた。
「友を見捨てる事など、決して出来ないからな。」
「なんか…マシューがピンチな予感がして、思わず駆けつけてきちゃった。」
「さて…これで七つの陣営の、絆で結ばれた七人が揃いましたね。」
「国を代表している訳じゃないけれど…みんなの為にあんたを倒す。」
「やれやれ…増援が来るなんてね。」
忌まわしげに自分達を睨むイザンに対し、
マシューは立ち上がり、再び自信のある表情を見せる。
「みんなが一緒なら…全て恐るるに足らず!
…そうだ。貴方に見せてやりたいものがある。
我が想い…そして我が六人の友の想いよ…力に変われ!」
マシューは持っていたサーベルをしまうと、右手から光を発生させた。
他の六人が出した右手からは光の流れが生じ、マシューの右手にある光へと向かっていく。
やがて七つの光は一つになり、光り輝く剣になった。
「それは…?」
「これは光の剣…災厄を…七の悪魔を祓うために生み出された剣だ!」
その剣はゼラルディアに伝わる物語「七つの輝き」に登場する、
災厄に立ち向かうための剣を模したものだった。
「「七つの輝き」という童話をご存じかな?
とある国が災厄に襲われたとき、勇敢な七人が世界から輝きを集め、
それを光の剣に変えて災厄を断ち斬った…。大体はそういう話さ。
そして僕達は今、想いの輝きでこの剣を生み出したんだ!
僕達が歩んできた道は確かなもの。それはまさしく宝石の如し!」
「ボクらの胸には星が秘められている。そう、願いという名の星さ!」
「ぼく達は太陽のような暖かな心を持たないといけない。あんたには温もりがない。」
「秩序とは堅固のようで、極光の如く揺らめくもの。我々が保たねばならない。」
「おれ達は所詮一つの色に過ぎないけど、だからみんな集まって虹になれるわけさ。」
「聖炎の如く…私達は魂を、信念を燃え盛らせるのです!」
「月は暗い夜の世界を照らす灯。俺達は闇の中でも屈する訳にはいかないのさ。」
「この剣に誓って僕達は負けない。僕達の…みんなの想いで貴方を倒す!」
「馬鹿げている…作り話の真似事で僕に勝てるとでもいうのか。」
「確かにそれは絵空事でしかない。けれどそんなおとぎ話の真似をして何が悪い!
今ここで暴挙を働いた貴方にも、これから目覚めるかもしれない貴方の同胞にも、
もう何にもこの国の全てを無にさせる訳にはいかない! だから僕達は戦う!」
七人は構えを取り、イザンを見据え、こう言った。
「物語の結末は…僕達が決めるッ!!」
Pixiv Fantasia Scepter of Zeraldia【illust/101965643】
2022-12-25 14:07:56 +0000