【PFSOZ】テイル・オブ・ゼラルディア【アイテム】







煌々と燃えよ、綺羅星の如く




◆星茶-テイル・オブ・ゼラルディア-◆
特殊な魔術装置を使い、星空から抽出された飲み物。
お値段は質や量により1瓶1000ギラン~50000ギラン。

ややとろみのある無色の液体で、微かに燐光を放つ。
味は甘さ、苦さ、様々な風味が入り混じり、独特だが美味。
滋養があるが魔力を多く含みすぎるため、種族によっては体調を崩す。
酒や炭酸水などで割ってカクテルにするのが一般的。

見た目の美しさや希少さから縁起物であるとされる。
そのため祝いの席で飲まれることが多い。

星々の状態により質が多少変化する。
彗星の見える夜空から抽出された品は一級品とされ、数も少ない。
今年は数十年ぶりの"当たり年"だろう。

このゼラルディアに輝く数多の物語<tale>のような、多重的なフレーバー。

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王都が燃えている。

舞い散る火の粉を払い除け、駆ける。
隣にはもはや見慣れた巨躯が、同じように前を見据え走っている。

「接敵!丹兵衛!」

「いちいちちんたら止まっていられるかよ!」

丹兵衛が吼えながら刃こぼれだらけの異形の剣で死人を薙ぎ払う。
切れ味などもはやあるようには見えない刃が、敵を二つに両断する……
強靭さと勢いのみで切り裂いているのだ、いつもながらその胆力には恐れ入る。

「置いてけぼりは嫌だと駄々を捏ねたが、そう出番を無くされてはな」

こちらの言葉に男はフンと鼻を鳴らし、剣を担ぎ直した。

「引き返すかなんざもう聞かんよ、そういう腹積もりだろう」

「うん、だが死ぬつもりも無いぞ」

「あ?」

「そもそも死なん、そういう身体だ」

言っていなかったか、どうだったかな。
まあいい、些細なことだ。

「わたしがここにいるのはな、お前の御守りだよ」

「妙な言い方を、餓鬼じゃあるまいし」

「気にするな、ともかくわたしは死なんし───おまえも死なせん」

時間が惜しい、脚は止めず、前を向く。
出てきた敵は切り飛ばし、薙ぎ潰し、無理やりに道を作る。

「そういうのはな、やり終えるまで言わない方がいいんだよ!何だったか、あの」

「"死亡フラグ"など知ってたのかおまえ、娯楽小説を読む顔には見えん」

「顔は関係ないだろう!」

互いを見ている余裕などないが、冗談に怒鳴る表情なら容易に想像できる。
状況にそぐわぬ笑みが口元から漏れ、それに気づいたらしい向こうは頭を搔きむしる。

なあ、言ったな、怒っていると。
はらわたが煮えている、それはそうだ。
だが認めたくは無いが、どうしても少しだけ……楽しいよ、わたしは。
五百余年の月日の多くは泥にまみれ、孤独と無力に身を裂かれていた。
友と理想に戦場を駆けた日は遠く───あと幾年月あろうがもはや、と思っていた。
それがどうだ。

「そろそろ詰めかな」

「覚悟の決めどきか?」

「そんなもの、とっくに」

決まっている。
死人共の主に、アビトとやらの顔に一発くれてやる。
我々の都を燃やしてくれた責任を、一端とはいえとらせてやろうじゃないか。

「行こう」

死と炎の果てへ。

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色々燃えとる!
おそらく最終章の投稿はこれが最初で最後じゃないかなと思います。
時間はまだあるけど、ブクマもしてないしクリスマスだし……

閲覧する人も投稿する人も、最終章を駆け抜けている……
ご無理が無い感じでどうか……

※作品内の描写はキャラクターの行動・設定を制限するものではありません

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◆お借りしました
敢廻のヤァズ【illust/102305656

戦火の中、きみの姿を見つけた。
同じ日のことだというのに、聖夏祭で会ったのが妙に前のことに思える。
心配はいらないのだろうが……あれを買い納めにはしてくれるなよ。
得意先を失うのは、いつになっても少し、堪える。

愚欲の鑑定師ニグア【illust/101966750

「いつかきみに渡したいものがある」
わたしはそう言った、いや、言えただろうか?
何しろきみばかり見ていたせいで、他のことは何も覚えていないのだ。
まだ情けないことに目標金額には遠く及ばないが、いずれ。
夏日差しの下の美しいあなた。
叶わぬ夢だとしても、それを終わらせられるなら、あなたに。

金梟のアシェル【illust/102179681

たぶん、夏祭で見かけた彼女だろうと思う。
鎧に身を包み大剣を振るっていた……ザリア軍の兵だったのだな。
去り際に少し苦しんでいるように見えたが、余計な世話は無用だろう。
これでも大昔には軍属だったのだ。
"群"というものの強さを、多少は信じているよ。

祝福師のメーゼル【illust/101965881

おまえもここに居る。
知っている、というよりわかるのだ。
500年の間ずっと供にあったわけではない。
だがそれでも誰よりお前のことを理解しているつもりだ。
おまえはわたしの友で、師で、救いだったと思う。
戻ったら誰より先に、おまえと話がしたい。
もちろん紅茶と、ケーキを添えて。

旅行中の悪魔ブラックスピネル【illust/102097469

この戦火の中お食事中の男を見つけた。
わたしも茶菓子か何か差し出そうかとしたが
「もうイベント期間終了してるから」と断られてしまった。
ではこの炎が消え、きみがまたバカンスを満喫できるようになったら。
そのときには、一杯奢ろう。

丹兵衛【illust/101966356

もはや言葉はいらぬ。
行こう、この先へ。

非公式イベント「兆しの彗星」【illust/103593725


◆騎士くずれのフォルカー【illust/101965886

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◆企画元
pixivファンタジアSOZ【illust/101965643
最終章「ゼラルディアの王笏」【illust/103584939

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2022-12-22 10:59:35 +0000