エオルン率いる黒王の従者と魔物の群れが王都バラルを襲撃していた。バラルの護衛を任されたガウェンは黒王の従者と魔物の群れとの戦いで深手を負っていたのだ。瀕死のガウェンの知らせを受けたバルフォードは魔物討伐隊と共に加勢するものの、これまでにない強敵が次々と現れる。そんな状況の中、一人の女が現れる。ヴァラシン組代表として剣と魔法の大会に参加した、黒衣の密偵ブラデルカであった。
「お前が何故ここに?」
「フン……敵を討ちに来ただけだ。ヘドが出る話だが、貴様らとは共通の敵になるようだな」
ブラデルカは自分を育ててくれたリンゴへの恩義に従い、エオルンの軍勢を討ちに来たのだ。
「いいかザコ。私の足を引っ張る事だけはするな」
「この野郎、いつまでもオレをザコ呼ばわりしてんじゃねえ!」
いがみ合いながらも共通の敵を討とうとする二人の共闘が今、始まった。
2022-12-19 15:38:33 +0000