闇の中に灯火が浮かぶ。
日中に聞いた、少年の歌(illust/103515559)を思い出す。
テーリット テーリッタ
トゥーリッタ トゥー
……違うな?
◼︎
ほんの少し人生が違ったら、俺は今このくらいの歳だった気がする。
このように老いるべきだった人物は誰だったのか、
もうその名前はわからない。
もし名無しの依頼を聞いてくれる探偵がいたら、
調べてもらってもいいかもな。
もうすでに、自分がそれになってしまったけれど……。
◼︎
探偵スドネロ・3章の姿(illust/103443475)(突然の老紳士ver.)
過去編は何も考えていない!どのみち消失している。
聖夏の祈火(illust/103259088)
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「ええと、盗品探しの調査結果ですが……」
「……それが、よく探したら脱走して家の中にいました」
「え!?」
「違法なのはわかってるのでくれぐれも内密に!」
リョクリュウエメラルドヒメタマムシ。
その翅の輝きと強い魔法耐性から宝飾品として乱獲され、
現在は絶滅危惧種として採集・飼育ともに違法である。
飼育の難しさから、依頼人も俺もすでに死骸が素材として市場に流れていると予想して、
宝飾市場を重点的に見てきたのに……。
実際こっそり売ってる人いたのに無関係!?
他の売り物もかなり黒そうだったのに、これ全然関係ない事件!?
「……依頼費は払ってもらいますが、飼育環境を教えてくれれば半額にします」
「え!?飼うの!?」
「いいえ」
一体どんな依頼が来て何が推理の役に立つかわからない。
何でも知っておくに越したことはない。
ここでしか聞けない知識もある。
「……飼育方法を売るつもりか?」
「多分違うそうでもない」
またランプの魔神が脳裏を過ぎった……。
2022-12-11 14:45:52 +0000