彼を抱きしめ冷たくなっているその体は過去に遺体を触ったあの感触にそっくりだ。
彼は、私の体の体温でとても安らかな顔をしている。
――――――――死なないで、志貴高。
今も、これからも、どうかそんな時間が永遠に続きますように。
別の神話の神は死後行くところが別々に分かれている、永遠に会えなくなる。
彼は死後は黄泉の国へと向かう。
そして、私は死後は冥界へと向かう―――――――。
だから、生きているこの瞬間を一緒に歩かせて
人が神にすがりたくなるこの思いは、墓まで持っていこう。
また一緒に食べるときに発散しよう。
今を全力で楽しもうと私は思う。
分かり切った結末を思いに、私は飽いている。
最高のこの瞬間を刻み込もう。
永遠などないのだから
きっと
きっと
『【スピンオフ】Cadhla-Salamander-Bolgという女-』小説の最後の〆より
2022-12-07 01:29:12 +0000