ただ、こうして抱きしめられて彼女の熱を感じる事は嬉しく思う。
あとは別荘でゆっくりと時間をかけて互いを感じ合うだけ。
今も、これからも、どうかそんな時間が永遠に続きますように。
別の神話の神は死後行くところが別々に分かれている、永遠に会えなくなる。
それは僕のお母さんも同じ、お母さんは仏教徒であり、仏の修行をするために天界へと向かった。
そして、僕は死後は黄泉の国へと向かう。
そして、彼女は死後は冥界へと向かう―――――――。
だから、どうか彼女と一緒に歩ませてくれ
神が神にすがりたくなるこの思いは、また別の仕事が来た時のために押し込めよう。
また別の女性を抱くときに発散しよう。
今を全力で楽しもうと僕は思う。
分かり切った結末を思いに、僕は飽いている。
最悪のこの瞬間を刻み込もう。
永遠などないのだから
きっと
きっと
『志貴高 麻奈斗という男-』小説の最後の〆より
2022-12-06 10:52:38 +0000