「3分間だけ姿が変わって見える飴か……む、この翅、母さんの……?」
☽リコフォス族
月の光を吸収して魔力に変換する能力を持つ妖精の一種。
主な生息地は砂漠地帯。日の光を吸収する近縁種も存在する。
触覚状の翅が蛾のそれのように見えることから、蛾の亜人として認識されていた時代もあったようだ。
もし純血の妖精種だったらというIFでした!
諸事情で戦闘行為(と辻ヒール)を禁じられている為、買い食いしながら祭りを見て回ったり大会の観戦をしたりしています。
お茶味美味しく頂きました!多分他にも買ってそう
イフドロップ【illust/103218199】
買い食い位しかやることがない【illust/102051688】
――いいか、せめて祭りの間は絶対に戦闘行為をするな。レースに出るのは百歩譲って許可するが、大会は絶対に駄目だ。後、目の前で子供やお年寄りが転んだからと治癒術を使うのもナシだ。
何度も繰り返し聞かされた台詞を思い返しながら、ショーウィンドウに映った触覚状の翅を持つ己の姿を見る。
もし、人間の身体に妖精種の魔力を持ち合わせた半端者でなく、翅を持つ妖精として生まれていたらこのようなことには――そこまで考えたところでノエルは頭を振る。
ありもしない仮定に意味などない。生まれ持ったものは変えようがないし、これまで選び取ってきた道が間違いだとも思わない。
その結果、そう遠くない未来に命を落とすことになるとしても。
丁度、効果時間が切れたのだろうか。頭部の翅がゆらりと消え、白い花と緑の根に彩られた元の姿に戻る。
(そうだ、これでいい。全ては俺が望んだことだ)
2022-12-05 21:37:51 +0000