【PFSOZ】収穫祭今昔

堕魅闇666世

ロズル島グルメハント!illust/102862540
お疲れ様でした!
きっと、最終日にはみんなで打ち上げしたんだろうな〜
っていうお話です。

お借りしました
PaguBackPackのみなさま
我らがギルマス!フィアンマさんillust/101966263
いっぱい食べる!ニェウダーチャさんillust/102583616
おにぎりはお弁当の基本ですよね。ユニさんillust/102461381
サメ漁お疲れ様です、ネティアさんillust/102352832
若いのに頑張り屋さん!キナリちゃんillust/101966725
美的センスとかも良さそう・・・ラトさんillust/101978958

満妖衆のみなさま
お世話になりました!満瑠さんillust/101996767
飲みっぷりが良さそう・・・芦原紅山さんillust/102233681
つらら女は熱いのがお好き?ディンゴさんillust/102078516
なんだかんだ子供には優しそう。やまんばあさんillust/102277054

うちのこ
ヨナタンとガンゼオンillust/101998566



満妖衆の皆と協力してのロズル島での食材集めは大成功。
緑竜諸島で眺める最後の夕暮れを背景に、
浜辺で楽しむ打ち上げのひととき。
「さぁ!オイスターグラタンがたくさん焼けたわよ〜!
みんな、おつかれさま!お腹いっぱい食べてね!」
「ミドリザメのフカヒレもたくさん獲れたからスープにしたわ。
遠慮なく食べてよね!」
フィアンマとネティアの呼びかけで、
浜辺に作られたキッチンの前に人だかりができる。

「んんーーー!!アツアツの牡蠣の出汁と魚介ソースが
一体になって最高にウマイのじゃ〜〜〜!!
おぬしらと組んだのはやっぱり大正解じゃったの!!」
ほくほく笑顔でグラタンに舌鼓を打つ満瑠の周りには、
満妖衆の面々も集まっている。
「フカヒレをつまみに呑むのもオツじゃのう!
ワインはあまり嗜まなんだが、こいつぁええ酒じゃあ!」
言葉とは裏腹に、堂に入った所作でシャルドネのグラスを煽る
紅山も気持ちのいい飲みっぷりだ。

その隣でも、滴るほどにタレを塗られた焼きおにぎりが
網の上でこんがりと焼けて、食欲を誘う香りが広がっている。
「焼きおにぎりも香ばしく焼けたよ!」
「ん・・・美味。焦がし醤油、最高」
早速一つ頬張ったニェウダーチャが、うっとりと顔を綻ばせる。
「でしょ!隠し味にね、ヨカンの果汁をタレに混ぜてあるんだよ!
具はカイガラウオの炙り!
こんな贅沢なおにぎり、滅多に握れないね」
ニェウダーチャが食べるペースに負けじと追加を握るユニ。

「デザートにはパーティクルアイスもある・・・
よーく冷やしておいたから、美味しい」
本人はアツアツの魚介のワイン煮込みを楽しむ
ディンゴの手元には、キンキンに冷えた
粒状のアイスクリームが各種取り揃えられている。
「舌触りがサラッサラ!これは新鮮だね!
それに・・・この素敵な器!キナリちゃんかな?
螺鈿細工とカラフルなアイスの組み合わせ、見た目にも楽しいね」
マリンスノーフレーバーを選んだラトは、
アイスが盛られた螺鈿細工の器にも興味があるようだ。
「は、はいっ!アイスの盛り付けに使ったのは初めてですけど、
青い光が螺鈿に映り込んで、すごく綺麗ですよね!!」
自分の作品を褒められたキナリが、嬉しそうに応じる。

美味しい料理と食材集めの冒険譚を肴に盛り上がる
皆の様子を眺めて、ヨナタンは少し寂しげにため息をつく。
「おやおや。なんだい、シケたツラだねぇ。
こういう場ではね、子供が一番に楽しんでくれなきゃねぇ。
ほら、なんか食いたいもんはないかい」
賑わいの輪から少し離れた場所に座るヨナタンを気遣い、
やまんばあが声をかける。
「あ!すみません!大丈夫ですよ、すっごく楽しんでます!
みんながそれぞれの収穫を持ち寄って楽しく話してるのを見ると、
ちょっと・・・故郷を思い出しちゃって」
ガンゼオンを守り神と祀り、山間でささやかながら
平和を謳歌していたヨナタンの故郷にも、
華やかな祭りの季節があった。

「ガンゼオンの竜狩り祭り・・・っていう、
年に一度の狩りのお祭りがあったんです。
村の北にある大きな谷には、大型の陸竜の縄張りがあって・・・
ゼオンが守り神になる前は、結構頻繁に村にもやってきて、
そのたびにすごい被害が出てたそうなんです」
フィアンマさんに拾われて以来、久しく思い出すことがなかった
故郷の思い出を、ぽつぽつと語り始める。

「僕の何世代も前に、ガンゼオンがふらりとやってきて、
村を襲ってる竜をやっつけてくれたそうなんです。
今日からはここは俺様の縄張りだー!って言って」
「ま、ちょうどいいケンカ相手がいそうだから
居座らせてもらおうと思ってな」
ゼオンが話を引き継ぐが、なにやらばつが悪そうにも見える。

「それからは、毎年、竜たちの気性が荒くなる秋に、
ガンゼオンと村の若衆が連れ立って谷に赴いて、
協力して竜狩りをするようになったんです。
ガンゼオンの竜狩りに出られるようになったら一人前だって、
言い聞かされて育ちました」
そこまで話して、ヨナタンは幼い頃の記憶を思い返す。
1ヶ月にも及ぶ長い狩りから帰った男たちが持ち帰る、
竜の鱗や角、そして抜群の栄養価と美味を誇る肉。
それらは、村人の食文化を彩り、貴重な特産品として
ささやかな集落に恵みをもたらしてくれた。

若衆と村の守り神の武勇を讃え催される祝宴の賑わいが、
目の前の打ち上げの光景に重なり、
涙ぐんだヨナタンの視界が少しぼやける。
「楽しい祭りだったんだねぇ。
それを思い出せるような、新しい仲間がまたできた。
結構じゃないか」
涙を拭うヨナタンの背を撫でていたやまんばあの手に力が篭る。

「行きな。無くしたもんを補うだけの出会いがあったんだろう。
今度は無くさないように、せいぜい大事にするんだよ」

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2022-11-28 04:14:07 +0000