pixivファンタジア Scepter of Zeraldia【illust/101965643】
2章『王国に潜む影』【illust/102825396】
非公式イベント:廃都紀行【illust/102835660】
※今回自キャラのみです。
――――――
廃都の地下を探索するオットー兄妹にアイシング・ミラー・グールの群れが迫る。
「生きのいいグールたちだ! あれは死霊魔術で動いてるのかな?!」
「死んでるのに『生きのいい』っておかしくないかしら? ……腹部に刺さった魔石の力を利用して動いてるんでしょうね」
「だよね! それじゃ魔力の伝導の仕方の解析したいから、おとなしくしてもらおう!
……アビー『ニーナ』を出せる?」
「いいけど、アレで手加減できるの?」
「まぁ、『倉庫』の扉を開けといてくれればそこに放り込むよ」
「了解。あと『倉庫』じゃないわ。
『格納病棟』――」
アビーの斜め後方に大きな音を立てながらそれなりに大きく無骨な引き戸がせりあがってくる。
「――『217号室』を開錠する!!」
開錠する、という言葉を言い切ると、今度は重い音を立てて引き戸が開く。開いた暗がりからは冷気が立ち込める。
……中にそれは安置してあった。
「『ニーナ』、起きて」
ギャビーが暗がりに向かって呼びかけると、その場に立ち込める魔力が周囲の空気と共に一気に扉の中に吸い込まれていった。そして、一瞬の沈黙ののち、ズン、と地響きが聞こえた。
重々しい足音と何か――長い尾――を引きずる音と共に扉から現れたのは、4本の腕を持つ異形の怪物である。
「……おはよう。さぁ、それじゃはりきって行こうか!!」
『ニーナ』と呼ばれた異形は返事をしない。そもそもギャビーを見ていない。
……『ニーナ』は生きものではなかった。
ギャビーの魔力と命令によって動く、肉の傀儡である。
ギャビーから電気に変換された魔力を受けとるとゆっくりと動き出した。
「……いつ見ても醜悪だわ。私達の研究の副産物とはいえ」
アイシングミラーグールをつかんでは乱暴に『格納病棟』に投げ入れていく『ニーナ』を見て、アビーはそう小さくこぼすのであった。
***
■ID判定:7→まだまだアイシングミラーグールが出てくるみたいだ!
「魔法石、たくさん手に入るね!!」
――――――
■兄弟の魔法について
・アビー『格納病棟』
病棟、と名がついているものの何でも収納可能。平たく言うと「人や物を収納する」魔法。「アビーが覚えている限り」の物を収容し施錠しておくことが可能。扉は「(●●)号室」とナンバーを振られ、開錠する時はそのナンバーを言わなければならない(=召喚詠唱みたいなもの)。
中は冷蔵庫のように冷えている。生き物を長時間収容するのには向いていない。
ナンバーに対応する内容物を「全く思い出せない」「忘れた」場合、その部屋を二度と解錠できなくなり、その番号は欠番となる。
・ギャビー『ニーナ(217号室のゴーレム)』と『医療用魔術及び死霊魔術の応用』
ギャビーは元々「生物の生体電流を魔力に変換し、作用させる」ことに特化した術士であり、義肢研究においても生体電流は重要なものであった。また、死霊魔術は「生体電流を魔術的アプローチによって操るもの」であることから、魔力の変換・伝導に役に立つと踏んだギャビーは一時期死霊魔術の研究にのめり込んだこともあった。
そして、その副産物として兄妹の錬金術によって作りだされたのが『ニーナ(217号室に収容されていることに由来する)』である。
「生体に近い柔軟さ」を持ち「魔力伝導の効率化」が成された肉の傀儡であるニーナは、ギャビーの魔力と声によって起動し、簡単な命令をこなすことができる。
体高は3.5メートルくらい
身体が損壊しても痛みを感じず、最低限の体液しか流れない。ただし、自己回復はしないため、損壊した場合、その部位は補ってやらなけれなならない。
ちなみに体中に刺さっている魔石は、魔力の受容体である。
※死霊魔術の解釈については「ゼラルディアにはそう言う系統の死霊魔術もあるんじゃないかな~」程度のものです。
■兄妹の行動方針
死霊魔術解析用のサンプル収集、及び魔石回収のため、アイシング・ミラー・グールをアビーの『格納病棟』にある程度収容したら適当な頃合いで撤退します。
撤退途中に負傷者がいれば救護します。
滑り込み兄妹【illust/102492971】
何か問題等ございましたらご連絡を。あるいはスルーでお願いします。
よろしくお願いします。
2022-11-27 14:29:17 +0000