【PFSOZ】ある日の落陽街の立ち飲み屋【ヴァラシン組】

ろぼとみ

ゼラルディアでも有名な無法地帯、ゼラルディア落陽街。貧困街であるうえに、日当たりも悪いこの一角。
治安なぞ、安定しているという言葉とは正反対のこの街だが、それだけに闇の世界に生きる者や金のためならいかなることも行うという者も多い。
すなわち、情報交換の場にも、必然的になりやすいということだった。

そんな落陽街のバーにて。
「おや、シュヒムじゃないか?」
「ん?」
シュヒムはカウンターに肘をかけたまま、首を回して両隣を見る。誰もいない。気のせいかと思ったところに、背後から背中をつつかれる。
「こっちさ。」
シュヒムは後ろを振り返る。そこには、シュヒムと同じくこの落陽街に拠点を構える女性、ユエトラの姿があった。
「驚かさないでくださいよ。」
シュヒムがそう言うと、ユエトラは笑いながら話す。
「驚いてる人間が冷静に剣の柄を掴むかい?君は抜け目ないね。」
ユエトラはそう言ってから、椅子に座らずに、シュヒムのことを観察する。

「ユエトラさん?どうしました?」
ユエトラの視線に気がついたシュヒムは質問した。
「いや、なんていうかさ…。」
ユエトラはシュヒムの服を指差す。
「君の服装、見てると既視感を持つね。」
「既視感?こんな服を着てるのってそうそういないですよ。どんな人なんです?」
「ま、アタシが今いるギルドの人さ。って言っても、あまり話したことないから、ちょっとうろ覚えだけど。」
ユエトラの言葉に、シュヒムは内心落胆する。

(人間の記憶など曖昧なものだ。要所要所が似ているからといって、混同してしまうこともよくある。)

「ああ、そういえば、ユエトラさんはギルドに入ってるんでしたっけ?」
シュヒムは苦笑いの顔で話しかけた。
「ああ、そうさ。治療活動するギルドでね。」
2人はそう話し出すと、談笑する。

貧民街の小さなバーに、話し声が静かに響く。

シュヒムは会話をしながら、思った。
(自分と似た服装の相手について、今はあれこれ聞くのはよそう。白いシャツに青色系のジャケットなんて、よく考えればわりとそこらにいる服装じゃないか。)

「おごりますよ。」
シュヒムはユエトラに、そう話す。ユエトラも笑顔で、おごられた酒を受け取った。

シュヒムの日常の一端のようなものです。同じヴァラシン組の落陽街にいるということで、既知のような関係にさせて頂きました。

お借りしましたお子さんの行動を制限する意図はありません。なにかあれば、連絡くださるか、パラレルでお願いいたします。

お借りしました
影渡りのユエトラさんillust/102765448

うちのシュヒムillust/103052692

#pixivファンタジアSOZ#【ゼラルディア落陽街】#ヴァラシン組#【アナーライフ】

2022-11-26 00:17:48 +0000