ザリアドールに戻ったバルフォードに次なる任務が。なんと、アトラの北部から魔物の大群が押し寄せているとの事で、バルフォードは魔物討伐隊と共にアトラに現れる魔物を迎え撃つ事となった。凶暴な魔物に挑んでいる最中、突然何者かが次々と魔物を蹴散らしていく。現れたのは、黒衣の女であった。
「フン、この程度のザコに手古摺るとはな」
「だ、誰だ!?」
「……視察に来ただけだ。貴様を助けたつもりではない」
多くを語らない女だが、バルフォードを見下している様子。
「貴様もザリア軍の戦士か。力はあるようだが、実に無駄な動きが多い。私からするとザコと変わらんな」
「何だと!喧嘩売ってんのか!?」
「フッ、頭に血を登らせやすいのか?どうやら精神面はまだまだ子供と見たぞ」
「んのやろぉぉ!オレをなめてっと血ィ見るぞ!」
「ほう、ならばその剣で私を捉えてみろ」
挑発する女に逆上のあまり剣を振るうバルフォードだが、その攻撃はあえなくかわされ、女の顔は一瞬でバルフォードの眼前まで来ていた。
「無駄だ。貴様如きに私を捉える事はできん」
一瞬で足払いを仕掛ける女。転倒するバルフォード。
「て、てめえ!」
立ち上がるバルフォードだが、女は既に間合いを取っていた。
「貴様の傍らにいる小さい生き物は何だ?魔物ではないようだが」
小さい生き物とは、クリオの事だった。女にはクリオの姿が見えているのだ。
「ま、まさかボクの姿が見えるの!?」
クリオは驚きを隠せなかった。
2022-11-21 15:47:08 +0000