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産業革命期 工場法下の織布工場

独特のアームを持つ織機がずらりと並んでいる。現代の自動織機との違いは、一目瞭然、これだけの機械があっても、今は、労働者は一人か二人である。産業革命期の織機は各一台に女性労働者一人が付いていることである。飛び杼(とびひ)の自動装填、糸切れ対応の技術が一気に進展したからである。大勢の労働者たちが、団結して勝ち取った仕組みこそ、工場法(1833年)である。現在の日8時間労働の規制の前駆となった。労働時間の短縮が実質的に定着したのは、労働者の反抗抑止もさることながら、拡大した資本が機械を一層利用し、高速・大量の商品を作ることが平行して進展したことも大きな理由である。工場法に抵抗しながらも、工場法があっても、資本としては、何とかなるとの見通しとなったことも資本家が語っている。工場法は、もう一つ、英国を4つに区分して、それぞれに、工場査察官を配置したことである。年1回の報告書が議会に提出されている。マルクスがこの記録を資本論に引用している。これがなかったら資本論は無かったくらいに。そしてそこからも、工場法の位置が分かってくる。多少の罰金を支払っても、長時間労働を課す工場主も後を絶たない。とはいえ、国会が決めた法の絶対性も無視できるものではない。そして現代の資本は、法によって、さらなる展開を見せている。最も大きな存在となっている法が、派遣労働許可法である。今、ゴーグルを付けて仮想空間に入り込み、様々な体験が出来るようになった。資本論ゴーグルはまだ見たこともないのだが、あれば、このイラスト場面にも入り込み、工場法の実態も、工場査察官の実態も、また国会の実態をも体験することができるかもしれない。労働者のラッダイト運動や、チャーティスト運動の実態も改めて体験できるかもしれない。ロバート・オーエンの工場も見たいし、その後の展開が消失したこともまた、その実状が見えてくるかもしれない。産業革命期の雇用についても、見てみたい。直雇用中心のイメージを持っていたが、多分そうではなく、様々な雇用形態があったのではないだろうか。三池炭坑の雇用を多少調べたが、その多くは、いまなら人材派遣業からの派遣が大半で、三池資本には、社長以下重役と首席技士、末等技士、事務員の数人か十数人しかおらず、大半はなんとか組に雇われた労働者たちなのである。私は、この組こそが、暴力団の出発点であったと想像する。九州に拠点を持つ組は今も知られている。工場では、旅職人、農民、救貧院からの雇用等が知られているが、労働者自身の子供の利用やら、外国人労働者やら、人集め業者によるシステムやら、三池炭坑並の派遣労働者の存在もまた見出すことになるに違いない。産業革命が産み出したもの、その幅の大きさに改めて圧倒される。資本 気候変動 原子力他。

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2022-11-15 05:55:08 +0000