pixivファンタジア Scepter of Zeraldia【illust/101965643】への参加作品です。
紫金のカルアウラillust/102432668
illust/102539828の後のお話
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夜明けはまだだろうか。
上から聞こえるのは、鉄と鉄がぶつかる音に、天井を駆ける足の音。
その他銃撃音や、重い打撃音だ。
銃を持った車掌さんに助けて貰ってから、どのくらい経っただろう。
恐怖に振るえ、食堂車のテーブルの下に身を滑らせたのは、随分と前の事のように思える。
だが実際の所、どのくらいの時間が経過したのかは分からない。時計は、客室に置いてきたしまったからで、あぁ、こんな事なら持って来ればよかったと後悔する。
いっそう大きな音がして、上からの音が止んだ。
列車の中でも、騒々しさが落ち着いてく。
戦闘は、終わったのだろうか?
あの野蛮で、恐ろしく、寒気がするような連中は、居なくなったのだろうか?
わからない。わからない、が───
───もう少しだけ、此処に居よう。ディーは迎えに来てはくれないのだろうが、車掌さんか、誰かは、来てくれるかもしれないのだから。
震える少女は一人、机の下で息を潜め、夜明けを待っていた。
2022-11-13 14:59:16 +0000