近年、吸精種と吸血鬼を同じ種族だと思っている学生が後を絶たない。
そういう者達にこそ、この個体による無差別襲撃事件は語るにふさわしい。
吸精種は「精気満ちる場所に生息する」「意思の疎通ができない」「罪無き厄介者たち」である。
種の多くの生息地は自然豊かな場所だ。
彼はただ、「種の中でも食欲が旺盛」だった。
自然の精気だけでは空腹が満たされない彼は、精気と共に生命力に満ちた場所を目指した。
「精気と生命力が満ちている場所」つまり「活気づいた都市」に現れるのは当然の事だったのだ。
討伐依頼を受けたオルギット団の猛者達がいくら攻撃をしかけたところで眷属・・・いや「ナイフとフォーク」である蝶にとらえられればあっという間に力も魔力も奪われ、我々は少しでも回復薬や回復魔法で死なないようにするのがやっとだったのだ。
そんな彼が今は「常識」を身に着けて慈しむ心を得たのは奇跡でしかない。
エイリル教団の祈りが通じたのかは知らぬが、神というものはいるのだと信じずにはいられんよ。
~とあるアラディア院非常勤講師の授業より抜粋~
■アンダインの種族である吸精種についての説明およびヤンチャしてた頃のアンダインのふわっとした説明になります。
ヤンチャどころか蛮族(無口)なんだがな!
■ゼラルディア辺境、未開拓の自然に暮らす個体数の少ない種族。
寿命は一般の人間と大して変わりないが、食事をせずとも「精気」及び「生命力」を他の生き物から頂戴することで生きることが可能。
人間社会に関わることが少ない為、仮に人里に降りてきても蛮族や魔物として討伐される程意思疎通ができないとされている。
■吸精蝶について
昔は眷属であるとされていたが、研究によりいわゆる「彼ら自身の無数の手足や口」ではないかとの新説が立てられた。
なお「彼らの姿からかけ離れていてあまりに気持ち悪い」としてこの説に賛成する者は少ない。
しかし「蝶がそこにいるならばいくら離れていてもどんな人間や生物がどの程度いるかわかる」という発言を上記の個体がしており、新説が正しいと証明しているのに等しくなっている。
■ちなみにこの個体は10年前にオルギット団とエイリル教団によって討伐された扱いです。もうおとなしい。
種族そのものはモンスターとして設定使ってもいいのよ
■この話を振ると穴があったら入りたいとばかりに逃げる医者アンダインillust/102507171
2022-11-13 09:10:38 +0000