「当たり前だろう。この私が関わっているんだ。失敗する筈がなかろう?」
「待て待て待て。眼鏡は駄目だ、外せられない。そもそもで見えない!」
「そんなんだと友達出来ない? いや……別に構わないし……今はいらないし……うん……」
■■■セナ・リースンヒル・サンセベル
男性 16歳 人間 167センチ
白髪赤目のアルビノ 太眉
細い・筋肉無い
一人称:私 二人称:あなた、○○殿(仲良くなれば呼び捨て、お前等)
尊大な物言い。無法者ではないので目上の人にはしっかり敬語。
アラディア院高等部所属。
今は何の力も無い辺境の没落貴族サンセベル家再興を目標にアラディア院で学んでいる。
没落したとは言え貴族であると言うプライドが高く、高慢になりがちで人を見下す悪癖がある。
一言で言えば嫌みたらしい優等生。こんなだから友達が居ない。
セナと同じ白毛の雑用ネコ(illust/101965783)を一匹連れている。実家から着いてきてくれている。友達。
戦闘は出来る事は出来る。努力家ではあるので魔法は一通り使えるが得意がある訳でも無い。
多少の暴力沙汰なら腰に下げている魔法器である本で相手を殴る方法を取る。
目下の目標はサンセベル家再興。
今回の後継争いで目立った手柄を立てられずとも、何かしら掴めればと思っている。
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彼は貴族である。
北の地エギリアにある街コールダン近郊に住む由緒あるサンセベル家の跡継ぎだ。
とは言え今のサンセベル家は衰退の限りをし尽くし、名ばかりの貴族であるのは内外共に明白であった。過去は《青天十三杖》(illust/102322403)にも名を連ねた事もあるが、それも遙か昔。今は大きな屋敷と少しばかり広い土地と長い歴史位しか残っていない。
だが貴族である。
セナは幼い頃から貴族であろうと努めてきた。両親はのんびりとした性格だったのでそこまでは厳しくは無かったが、礼儀作法も基礎教養も何もかも教えて貰えた。だから貴族であろうとセナは精一杯背伸びをしている。
背伸びであるのは分かっている。財力も人脈も権力も、腕力も知力も家としても己も何もかもが足りていない。だけれども人々の上に立つ、貴族であろうとしている。
彼はアラディア院所属である。
イスリアド家に連なる家でもなかったし、そもそも恩義もない。筈だ。と言うかイスリアド家――エイスが嫌いだ。
幼い頃、父に連れられてやってきた王都バラルで偶然にもエイスと遭遇したのだ。彼が酒場で酔って女性を侍らせ上品とは言えない笑いを見た時は目を疑った。あれが次の王となるべき存在なのか?
真の貴族となるべく努力を重ねてきたセナには衝撃的な光景であり、嫌悪するのも早かった。そんな潔癖のきらいがあるセナを父は苦笑しながら、エイス様も分かりづらい方だな、とか何とか言っていたが、幼いセナにはそんな言葉を受け入れられる余裕はなかった。
今なら父の苦笑交じりの言葉の意味も何となくは、分かる。分かるが、だがしかしやはり許せなかった。最も強大な貴族であるだろう貴方がそんなもので良いのかと率直に考えてしまう。
だから成長したセナは貴族としてイスリアド家に仕える道ではなく、己の知見を広める為に実家を出てアラディア院の門戸を叩いたのである。
彼は本当は貴族では無い。
拾われ子だった。本当の名前も親も何も知らない。まだ赤子だったセナを養子とし育ててくれた両親には恩義がある。
セナは奇跡的にサンセベル家に拾われた。捨てられていたのが偶然両親のその日の散歩道だったらしいが、その後に施設に預けられるも、保護されるでもなく、養子として迎え入れられた。サンセベル家でなくては助けられない理由がひとつだけあった。
セナは先天的に太陽に弱かった。皮膚と目の色からそう言う病気なのだと聞いた。本当は陽の出ている時間に外に出るなんて事は出来ないらしいのだが、サンセベル家の力でそんな事も気にしなくて良くなった。
サンセベル家伝来の魔法器。
本と手袋、眼鏡で構成されているその魔法器は不思議な力が秘められていたが、それ以上に膨大な魔力が込められているらしく、その魔法器を身に付けていれば、どう言う理屈かは分からなかったがどれだけ太陽の光を浴びようと何も無かった。
サンセベル家は大家では無い。財力も権力も何もかも失って等しい。だけれどもたったひとりの見知らぬ赤子を助ける為に、セナの為だから、と見ず知らずの子供に与えてしまったのだ。
サンセベル家は子供が恵まれなかった。だからかもしれない。そしてこれからもそんな誰かを、万人を助けられる筈もないのに目の前の子供を助けたのは只の偽善かもしれない。だけれどもセナにとっては、助けられた。助けて貰えた。
名を与えられ、身分を与えられ、魔法器を与えられたこの奇跡に、恩義に感謝する以外なかった。
この恩義を返す為に、家の再興が出来れば両親に恩返しが、もしかしたらセナの様な誰か何かを助けられる力を得られるかもしれない。だからこそ、本当は貴族では無いが、貴族であろうとしている。
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【魔法器:リザイラルクーラ】
「全てを記せ」の言葉と共にサンセベル家に伝わる、中も外も無地の本、黒い手袋、眼鏡で一揃いの魔法器。
何も書かれていない本には普通のインクで記述すら出来ず、専用の手袋をした指でのみ記述出来る。更にその内容は専用の眼鏡でしか視認出来ない。
ページをめくるとその記述は消えてしまうが、今まで全ての記述は記録<セーブ>されており、手袋の索引<インデックス>によりそのページは再生<ロード>される。
その仕組みは大がかりなそして大きな魔法の力が働いている事のみが分かっているが、誰がどのように何の為に作ったのかは不明。
取り敢えず記録されている先はサンセベル家の大書庫室<アーカイブス>なので、セナはこの機能を使って日記を付けて実家の両親に近況を報告している。
戦闘能力は今の所汚れも破損もしない超丈夫な本で殴れる事位しか分かっていない。魔法器についての研究もしているが、目下何も分かっていない。
本、手袋、眼鏡がないと体質の為、セナは日中は外には出られない。
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基本的には既知設定でも何でもどうぞ! 同じく何かありましたらDMでも何でもどうぞ!
但し、即死やらのいきなり行動不能な現象は勘弁願います!!
企画元:pixivファンタジア Scepter of Zeraldia(illust/101965958)予告先
2022-11-02 12:44:51 +0000