l▶︎マーガレットの誕生日
ボクの親友は背が高い、見上げてもマーガレットが屈まないと表情は見えないし、声が届いてるか時々不安になるけどそんな時はすぐに気付いて首を傾げてくれる。
「かわいい…」
目の先を見ると華やかな洋服屋さん、ショーウィンドウのワンピースにはフリルや花の刺繍があしらわれている。きっと彼女に似合う。
「買わないのかい?」
ボクが尋ねると彼女は寂しそうに笑って、「また今度ね」と言う。よく見ると洋服はボクより少し大きいサイズで、彼女より小さいサイズ。
「きっと、似合うのに」
誰にも聞こえない声でショーウィンドウにポツリと言った。
その日から、ボクはせっせと働き、お給料を貯めていった。普段よりいい働きぶりにお金は増えていく。
「シオンの好きなアイスがあるわ」
仕事終わり、ジェラート屋さんのワゴンが目に止まる。でも。
「おなかすいてないんだ!」
プイッとそっぽを向いて駆け出す。食べたい…!でも、今はガマン!
誕生日当日。いいところに連れてってあげるよとマーガレットの手を引いて少し寮から離れたお店まで向かう。
「ここって…」
背が高い人用の可愛らしいお洋服が並ぶ、マーガレットにぴったりなお店。
「サプライズだよ!このお店の服どれでも一着…」
屈んでない彼女の瞳が潤んでいたことをシオンはしらないー。
*
シオン【illust/102096751】の動いてる姿も描きたいなぁと思い、日常の一コマを描きました!
マーガレット【illust/102094451】は一緒に参加した友人のキャラで、シオンの大切な幼馴染です。
2022-10-22 13:15:13 +0000